Ep43 ページ43
「こう……ち、くん…………こう、いち、く……ん…………」
立つこともままならず、ずるずると身体ごと這って康一くんのそばへ寄る。
「康一くん……」
揺さぶってみても返事はない。
涙で滲む視界でもよくわかるほど、身体には大きな穴が空いている。
パキ、パキ、とせめてもの止血を行ってみるものの、わたしには彼が助かるかどうかも分からなかった。
「はは！健気だねぇ、女の子はこうでなくちゃあね……血だらけではあるが──やはりきみの手は美しいな」
吉良がわたしの手をつかもうとするのを思いきり振り払った。
「さわらないで！！！」
「…………」
吉良は不服そうな顔でわたしを見下ろしていた。
はぁ、と深いため息をひとつついてから、ふたたびわたしを蹴り飛ばした。
「ッ……！！」
康一くんの……まだ、完全に塞がっていないのに…………ッ！！
手が離れてしまった。
止血は途中までしかしていない……！
二発、三発と続けて蹴り飛ばされる。
この衝撃──骨の一本や二本くらいは折れている……！
目が霞む。頭が朦朧とする。
「さて……あいつを爆弾に変えてから、きみのことを残りの一分でゆっくりと殺してあげよう」
そう言って、また康一くんのほうへ向き直った。
「さわ、ら……ないで……！！こうい……ち、くん……に、ッ…………じょ…たろ、さんに…………ッ」
手を伸ばしてみるけれど、この手は伸びているのか。
口を開けるたびに血があふれ出てくるけれど、この言葉は声にすることができているのか。
「こ……いち…………く、ん……」
もう自分ではわからなかった。
気絶してしまえば、止血していたスタンドも消えてしまう……
そうは思っていても、意識はだんだんと暗くなっていくばかりだった。
「じょ、すけ……く…………」
おぼろげな視界と意識のなか、承太郎さんがゆっくりと立ちあがるのが見えた────ような、気がした──────……。
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紫羅那＠お絵描き部(プロフ) - 絵がうますぎる…… ヾ(>ω<ヾﾉ三ヽ^ｼ>ω<)ﾉｼ (2019年5月7日 19時) (
レス) id: 824c90f62e (このIDを非表示/違反報告)
麦(プロフ) - 蜂さん» 蜂さんありがとうございます〜！そう言ってもらえてメチャクチャ励みになります……頑張ります！ (2019年5月3日 21時) (レス) id: f8001bfddc (このIDを非表示/違反報告)
蜂(プロフ) - 更新おつかれさまです！絵も文も好きすぎて！！無理せず頑張ってください！ (2019年5月3日 15時) (レス) id: fb72653bef (このIDを非表示/違反報告)
麦(プロフ) - 庄さんさん» 庄さん ありがとうございます……！！絵のほうも文のほうも頑張りたいと思います！ (2019年5月2日 2時) (レス) id: f8001bfddc (このIDを非表示/違反報告)
庄さん(プロフ) - 絵、上手....!!!もちろん小説の方も最高でいらっしゃる....!! (2019年5月2日 0時) (レス) id: 126b5dc4ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麦 | 作成日時：2019年4月23日 13時
