Ep34 ページ34
僕の声がうわずって、承太郎さんは伏せていたひとみをゆっくりと開けた。
仗助くんも億泰くんも、視線は承太郎さんにくぎ付けだ。
承太郎さんの口が開かれる瞬間、僕らは三人同時に生唾を飲み込んだ。
「ちょうどお前らと同じぐらいの年の頃──センコーにキスしたことならあるぜ」
コーヒーを飲みながら、顔色ひとつ変えずに言い放つその態度はまさに人生の先輩……と言っていいのか？いいのだろうか……？
ともかく、僕らはわけもわからない感情に取りつかれて、しばらく言葉を口にできなかった。
「だが勘違いするんじゃあないぜ。ありゃ別に好き好んでいたわけじゃあない────体内に入り込んだスタンドを引っ張り出すためにやったんだ」
「は、はあ…………」
僕が返事とも言えないため息を漏らすと、興味津々で食いついたのは仗助くんだった。
「ど、どうっスか！そのときの気分──というか、キスってどんな感じなんスか！？やっぱ、初恋の味ってするんスか！？」
承太郎さんはその問いに答える前に仗助くんをじっと見つめてからため息をついた。
「どうってお前……何ともねぇさ、気になるんならしてみりゃいいじゃあねぇか」
「言われてみりゃあそうだな、仗助！ハグのひとつやふたつ済ませてるんだからよ、気になるなら自分がやってみろよ」
こともなげに言う億泰くんに、仗助くんはまた胸ぐらを掴んでゆさゆさとしている。
「おめ〜はよ！軽々しくそういうこと言うんじゃあね──ッ」
「やれやれだぜ……」
喫茶の片隅──仗助くんの大声、億泰くんの笑い声、承太郎さんの静かな佇まい。
がちゃがちゃごちゃごちゃとうるさいけれど、とにかく僕らは──たしかに青春を楽しんでいた。
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紫羅那＠お絵描き部(プロフ) - 絵がうますぎる…… ヾ(>ω<ヾﾉ三ヽ^ｼ>ω<)ﾉｼ (2019年5月7日 19時) (
レス) id: 824c90f62e (このIDを非表示/違反報告)
麦(プロフ) - 蜂さん» 蜂さんありがとうございます〜！そう言ってもらえてメチャクチャ励みになります……頑張ります！ (2019年5月3日 21時) (レス) id: f8001bfddc (このIDを非表示/違反報告)
蜂(プロフ) - 更新おつかれさまです！絵も文も好きすぎて！！無理せず頑張ってください！ (2019年5月3日 15時) (レス) id: fb72653bef (このIDを非表示/違反報告)
麦(プロフ) - 庄さんさん» 庄さん ありがとうございます……！！絵のほうも文のほうも頑張りたいと思います！ (2019年5月2日 2時) (レス) id: f8001bfddc (このIDを非表示/違反報告)
庄さん(プロフ) - 絵、上手....!!!もちろん小説の方も最高でいらっしゃる....!! (2019年5月2日 0時) (レス) id: 126b5dc4ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麦 | 作成日時：2019年4月23日 13時
