Ep28 ページ28
カラン、と小気味よいベルの音とともに店内に入る。
杜王町からすこし離れた隣町の喫茶店。
ここならおそらく知り合いに会うことはないだろう。
学校終わりの時間のせいか、店内の客もまばらだった。
席に着くと、仗助くんはわたしにメニューを渡してくれて、先に決めな、と言わんばかりだ。
「んと、じゃあ──ホットコーヒー、ブラックで。仗助くんは？」
「じゃ、俺はカプチーノで」
メニューをぱたんと閉じて、もとあった場所へ返す。
カウンターの奥では、注文を受けた店主が慣れた手つきで豆を挽き始めたところだ。
店内には心地よいジャズが流れていて、レトロな雰囲気とマッチしている。
こういうところ、一度来てみたかったんだ。
まさか仗助くんと来れるなんて──。
頬が緩んでしまうのを何とかこらえながら、ちらりと仗助くんを見てみる。
「めずらしいね、康一くんや億泰くんといっしょじゃあないなんて」
「ああ───こりゃスタンドも月まで吹っ飛ぶ衝撃的な話だがよ、康一の奴、由花子とチューしちゃった〜とか騒いでたぜ」
「えッ！！？あの由花子さんと？康一くんが！？」
「な、たまげたろ？億泰の野郎も腰抜かしてたぜ！まさかあの由花子となァ〜」
そんなふうに言いつつも、友人の色恋沙汰にうきうきしているような仗助くん。
康一くんと由花子さんがお互い好き同士で、ようやく結ばれたのだから、きっと仗助くんも嬉しいのかな。
他愛もない話をしながらコーヒーを飲んだりなんかして、きっとここ最近でいちばんしあわせな日だ。
ちびちびと飲んでいたコーヒーも半分を切ったところで、ふと仗助くんがその話題を口にした。
「あの、さ……A、俺に言ってくれた言葉、覚えてるか？」
「え？」
「俺のことが好きだって言ってくれたろ？────A、まだ俺のこと好きか？」
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紫羅那＠お絵描き部(プロフ) - 絵がうますぎる…… ヾ(>ω<ヾﾉ三ヽ^ｼ>ω<)ﾉｼ (2019年5月7日 19時) (
レス) id: 824c90f62e (このIDを非表示/違反報告)
麦(プロフ) - 蜂さん» 蜂さんありがとうございます〜！そう言ってもらえてメチャクチャ励みになります……頑張ります！ (2019年5月3日 21時) (レス) id: f8001bfddc (このIDを非表示/違反報告)
蜂(プロフ) - 更新おつかれさまです！絵も文も好きすぎて！！無理せず頑張ってください！ (2019年5月3日 15時) (レス) id: fb72653bef (このIDを非表示/違反報告)
麦(プロフ) - 庄さんさん» 庄さん ありがとうございます……！！絵のほうも文のほうも頑張りたいと思います！ (2019年5月2日 2時) (レス) id: f8001bfddc (このIDを非表示/違反報告)
庄さん(プロフ) - 絵、上手....!!!もちろん小説の方も最高でいらっしゃる....!! (2019年5月2日 0時) (レス) id: 126b5dc4ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麦 | 作成日時：2019年4月23日 13時
