Ep22 ページ22
「自分でもよく分からねぇ…………っつーか……俺のほうこそ聞きてーんだよ」
「オイオイオイ、気が抜けるような返事だなァ！はっきりしてくれよ仗助！」
もごもごと呟く仗助くんに、億泰くんがそう言い放った。
僕だって思いつきの問いに、仗助くんからはっきりとした返答が聞けるとは思っていなかった。
けれど、なんというか──。
ここまでもじもじされては、なんだか逆に意味深というか。
「俺が、由花子が康一を追っかけるみてーに……Aのことを想ってると思うか〜〜！？いや……自分でもよく分からねぇけどよォ……」
「おやおやおやおや仗助くんん〜？？由花子の気持ちとまでは行かねえが、そりゃあ充分Aを好いてるってことじゃあねぇのかよ！？」
「お、オメ〜に俺の何が分かるってんだよ〜〜ッ！！」
億泰くんがにやにやしながら仗助くんに詰め寄ると、仗助くんは椅子から立ち上がって億泰くんに向き直る。
こうして見ると、仗助くんは照れ隠しで億泰くんに突っかかっているようで──微笑ましいような。
「それで仗助くん〜！Aさんのこと、どうなのさ！」
仗助くんのこんな姿がめずらしくて、面白くって仕方がない。
──と、思っていたのだけど。
「おい康一ィ！せっかくいいところなのによォ！どこ行くんだよ！？」
「もう帰んのかよ康一〜？」
気づけばふたりに背を向けて、椅子から立ち上がっていた。
あれ…………僕、仗助くんと億泰くんと話をしたかったんだけど……
「うん、ちょっと……また明日ね！」
なぜだか由花子さんのことが気になって、彼女の向かった方角に駆け出した。
──Aさんと仗助くんのこと、気になるんだけどなぁ……。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 243人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紫羅那＠お絵描き部(プロフ) - 絵がうますぎる…… ヾ(>ω<ヾﾉ三ヽ^ｼ>ω<)ﾉｼ (2019年5月7日 19時) (
レス) id: 824c90f62e (このIDを非表示/違反報告)
麦(プロフ) - 蜂さん» 蜂さんありがとうございます〜！そう言ってもらえてメチャクチャ励みになります……頑張ります！ (2019年5月3日 21時) (レス) id: f8001bfddc (このIDを非表示/違反報告)
蜂(プロフ) - 更新おつかれさまです！絵も文も好きすぎて！！無理せず頑張ってください！ (2019年5月3日 15時) (レス) id: fb72653bef (このIDを非表示/違反報告)
麦(プロフ) - 庄さんさん» 庄さん ありがとうございます……！！絵のほうも文のほうも頑張りたいと思います！ (2019年5月2日 2時) (レス) id: f8001bfddc (このIDを非表示/違反報告)
庄さん(プロフ) - 絵、上手....!!!もちろん小説の方も最高でいらっしゃる....!! (2019年5月2日 0時) (レス) id: 126b5dc4ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：麦 | 作成日時：2019年4月23日 13時
