Ep15 ページ15
「仗助 またね〜！」
「また明日〜！」
女子たちの黄色い声が仗助くんに向けられる。
彼はというと、「う〜ッス」とだけ手を振って教室をあとにした。
「承太郎さんのところへ行くのかな……」
「なんでも音石明の話だとか」
わたしの呟きを聞いていたのか、康一くんがそう答えた。
「さぁAさん、ちゃっちゃと仕事 終わらせちゃおうか」
この日の掃除当番はわたしと康一くん。
手際よくほうきでゴミを集め、ゴミ箱にまとめる。
机と椅子も整えて───
「康一くん、これ、まとめて持って行っとくね」
「ありがとう！じゃあ僕はこっちをやっておくから！」
ゴミ箱を抱えて階段を駆け下りる。
数段駆け下りたところで、見慣れたあのひとのすがたが見えたような気がした。
「あれ……仗助くん？」
そこには先に教室を出たはずの仗助くんが────
どきり、と心臓が跳ね上がったのを感じた。
仗助くん、ひとりじゃあない。
女子の先輩──？
「やっぱり仗助のこと諦めきれないの」
「そう言われても……前も言ったッスけど、俺 それどころじゃないんスよ、今は────スンマセン」
「じゃあなんで最近はあの子と居るの？彼女なんじゃあないの？」
「あの子………？いや、あいつはそんなんじゃあ…」
「だったら……」
────なぜ息を殺してその会話を聞いているのか、自分でもよくわからなかった。
ただゴミを捨てに行くだけなのに。
知らないふりをして駆け下りていけばいいだけなのに。
……やっぱり、康一くんに代わってもらおうか。
ぐるぐると脳内で自己問答を繰り返しているうちに、仗助くんと先輩のやり取りもどうやら終了を迎えたみたいだ。
「──ともかく、期待には応えられないッス。スンマセン、本当」
ぐす、と先輩が涙ぐんでいるような声が聞こえて、なぜだかほっとしている自分が居た。
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紫羅那＠お絵描き部(プロフ) - 絵がうますぎる…… ヾ(>ω<ヾﾉ三ヽ^ｼ>ω<)ﾉｼ (2019年5月7日 19時) (
レス) id: 824c90f62e (このIDを非表示/違反報告)
麦(プロフ) - 蜂さん» 蜂さんありがとうございます〜！そう言ってもらえてメチャクチャ励みになります……頑張ります！ (2019年5月3日 21時) (レス) id: f8001bfddc (このIDを非表示/違反報告)
蜂(プロフ) - 更新おつかれさまです！絵も文も好きすぎて！！無理せず頑張ってください！ (2019年5月3日 15時) (レス) id: fb72653bef (このIDを非表示/違反報告)
麦(プロフ) - 庄さんさん» 庄さん ありがとうございます……！！絵のほうも文のほうも頑張りたいと思います！ (2019年5月2日 2時) (レス) id: f8001bfddc (このIDを非表示/違反報告)
庄さん(プロフ) - 絵、上手....!!!もちろん小説の方も最高でいらっしゃる....!! (2019年5月2日 0時) (レス) id: 126b5dc4ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麦 | 作成日時：2019年4月23日 13時
