僕の、ゆめ。-side.F- ページ42
「ぼくのゆめは、甲子園にでることです」
小学校2年生で野球を始めてから、学校で「将来の夢」を聞かれたら、発表でも作文でも必ずそう答えていた。
俺は兄弟がいなくてひとりっ子だったから。
毎日遊んでた幼なじみのAと和兄はほんとの兄弟みたいに思ってた。
だから和兄が野球を始めた時、俺も野球を始めることに何の迷いもなかった。
夏休みには3人で高校野球を夢中になってテレビで見てた。
ユニフォームを泥だらけにしながら走って投げる姿も。
キインていう金属バットの音も。
何もかもがかっこよく見えた。
「おれ、ぜったい甲子園いく！」
「おれも！ぜったい甲子園いく！」
和兄と俺は毎日そう言っていた。
「ずるいよ！なんで女の子は甲子園いけないの」
Aがそう言って泣くから。
「じゃあAはマネージャーやってよ。
俺が甲子園に連れてく！」
俺が何の根拠もなく言ったその言葉に、Aは嬉しそうに笑った。
「うん。約束だよ」
Aはもうそんな昔のこと、きっと忘れてるだろうけど。
俺はずっと覚えてた。
Aが俺にとって「ただの幼なじみ」じゃなくて、「好きな女の子」なんだ、と自覚したのは中学に入ってからだ。
その頃のAは陸上にうちこんでて、俺のことをそんな風に見てないことはわかってた。
だけど、いつもAは隣にいたから。
彼氏彼女ていう関係じゃなくても、いいと思ってた。
高校の入学式の日。
「好きな人ができた」
ってAが突然言った時は、嘘だろ、と思った。
「ちょっと生徒会室行ってくる！」
そう言って走ってくAの背中を、俺は見てるしかなかった。
陸上に夢中だった時も。
先輩を好きになった時も。
いつもAは俺の前から全力で走って行ってしまう。
「太輔、あのね。
今日。玉森先輩に好きって言われた」
文化祭のあと、Aは先輩と付き合うことになったけど。
そのことは納得してた。
俺も自分の気持ちは何度も伝えたし。
付き合うことになったこともAはちゃんと俺の目を見て伝えてくれたから。
だからさすがにもう諦めるしかないって。
長い初恋も終わりだって。
そう、思ってた。
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nina(プロフ) - anier017さん» そんな風に言っていただけると私もさびしくなってきました(ToT)スポ根漫画風味になってもきっとanier017さんは読んでくださると思って書いてました。心の支え(重い)私もみんな幸せになってほしいなあと思ってます！最後まで見守ってください(*´ω｀*) (2021年3月19日 20時) (
レス) id: 53a8b8ecd7 (このIDを非表示/違反報告)
anier017(プロフ) - 毎日楽しみにしてたのでパート3で終わりなのか..と思うと寂しい気持ちです(TT)幼馴染くんが、野球部にちゃんと戻ってきて、先輩と仲良く、幸せに過ごせますように..!と勝手に祈ってます(TT)今後の展開も楽しみにしてます☆ (2021年3月19日 13時) (レス) id: a030ce827e (このIDを非表示/違反報告)
nina(プロフ) - anier017さん» こんにちは♪この先の展開がかなーり不安だったので、そんなタイミングでanier017さんのコメント嬉しすぎました(ToT)続き書けそうです(単純)いつも優しいお言葉ありがとうございます！ (2021年3月12日 17時) (レス) id: 53a8b8ecd7 (このIDを非表示/違反報告)
anier017(プロフ) - こんにちは！いい感じの2人に何かが起こるんですかね..?!ほんとに、ninaさんの作られる物語が好きでたまりません！また続きドキドキしながら待ってます！ (2021年3月12日 12時) (レス) id: a030ce827e (このIDを非表示/違反報告)
nina(プロフ) - ともさん» 昔別のところでリクエスト企画したことあるのですが、自分には向いてないと思ったのでそれも難しそうです。申し訳ありません(T-T) (2021年3月3日 20時) (レス) id: 53a8b8ecd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nina | 作成日時：2021年3月2日 16時
