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96.光姫と万吉4 ページ47

光「いろいろと計画立ててくれて、この時間帯だと監視の人は休憩に入って監視の目が薄くなるとか…」
『徹底してるね…』
光「うん、なんだかんだ官兵衛の方も楽しみにしてくれてる感じがしてたな」
『で?行ったの?』

一愛が聞くと光は少し残念そうな顔をして首を振った

『え?』

光「いけなかったの、それが」
『ど、どうして?』

光「誕生日当日は忙しくなるし、いろんなお偉いさんが来るから難しいってわかってたから前日にしてたんだけど、いろいろ予定が狂っちゃって…」


ーーーーー
光「はぁ!?駄目って、まじで!?」
万吉「無理だな、悪いが今回は諦めてもらうぞ」
光「そ、そんな…」

万吉はがっかりしている光にため息を吐き、本を閉じる

万吉「なにも今回が駄目なだけで二度と行けない訳ではないだろう…?また機会はある」
光「…でも、俺は…今日、万吉と…」
万吉「…光…?」

人が集まり過ぎたのだ
お偉いさんががこない前日を狙ったのに
監視の目がより強くなってしまい、行けなくなってしまった

こればかりは仕方がない、といえるほど大人ではなかった

侍女「光姫様、政職様がお呼びです」
なにか言いかけた万吉の言葉を遮るように侍女が襖をあけた
光「…義父上が?」


ーーーー
光「…え?」
政職の部屋で聞かされた事実に開いた口がふさがらなかった
政職「明日はいろいろと忙しくなる故、今日主なものは済ませる。そのために集まってもらったのだ」
光「で、でも、そんな…」
政職「勝手な話だが、わかってくれ。光」


それは、万吉の父である黒田職隆の近江への派遣の知らせだった

『…え、派遣…?』
光「うん、私の誕生日に、お別れになっちゃったんだ」
『そんな』
光「それでね、逃げ出しちゃったの」
『は…?』
光「つまらなくて…官兵衛がいなくなるのも、宴も。大人達だけがわーわー騒いで」
『そ、それわかる!主役はただ座らされてるだけで大人だけが楽しんでるの!』
光「そうそう!重ったい着物着せられてさ!」

二人共姫育ち、酒の飲めない子供にとって宴はつまらないもの
光「その席には万吉もいなくて…だから隙を狙って逃げだしたの」
『そ、それで…?』
体を乗り出し、続きを聞きだす
光「逃げ出したものの、行くところがなくて。約束してた森の中までいったのよ」
『え、でも…』
光「真っ暗、夜だったしね。勢いにまかせて突っ込んだものの、帰り道がわからなくなって」
『そ、それってまずいんじゃ…』
光「やばかった」

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サクラハナミズキ(プロフ) - 稀代さん» ありがとうございますっ!すごく嬉しい…(*^^*)!更新がんばります♪ (2019年6月21日 17時) (レス) id: db2bd56246 (このIDを非表示/違反報告)
稀代(プロフ) - めっちゃ面白いです!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2019年6月19日 21時) (レス) id: 409dd2a048 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サクラハナミズキ(前名:桜 水樹) | 作成日時:2019年3月27日 8時

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