93.光姫と万吉 ページ44
光「私はれっきとした女だから！この絵のときも…その…ちゃんと」
『もじもじしながらゆうのやめて…』
光「いきなりこんな事いわれても多分状況が理解できないと思う。だから、ちゃんと1から話すから」
改めて真剣な顔をする光に一愛も息をのむ
光「私、官兵衛が好きなんだ」
『知ってたけど』
光「」
『いや…もう、付き合ってるのかと…』
光「え…」
『付き合ってないの…？』
光「付き合ってないよ…？」
『え…？』
光「え…？」
『』
光「」
光「私ね…幼い頃に櫛橋家の養女として迎えられたんだ」
『(なんか始まった…)』
光「養女っていっても姫。でもそんな子じゃなかって」
『あ、それで、』
光「そう」
光は絵を持ち上げ、一愛に見せるように自分の顔の隣に並べる
こう見ればどことなく面影があるようだ
それでも全然雰囲気が違う
光「お花を愛でたり、鞠で遊んだり、女の子らしい事よりも木刀で稽古を好き好んでやってよくケガをしても気にしない子だった」
絵をまた畳に置き、空いた手を無意味に指と指で絡ませながら独り言のようにつぶやいた
光「それでも義父上はなんにも言わなかったけどね」
光は顔をくしゃっとして笑う
一愛は何も言わずただ頷く
光「そんなとき…官兵衛と出会った」
『あ…』
光は一愛を見つめる
一愛はどうして光が自分に話したのかが理解できた
『(似てる…)』
あの頃の自分と
好きな人に近づきたくて、必死に努力していた自分
光「いろいろ急で申し訳ないけど、半兵衛から一愛の話を聞いて…話を聞いてほしいなって」
『光…』
光「聞いてくれる？」
照れくさいのか、顔を少し赤くしながら光は控えめに聞いた
一愛は優しく笑った
ーーーー
光「おめぇ万吉っての？俺は光！よろしくな！」
万吉「…」
はじめはこんな感じだった
義父上の部下である黒田殿が小さいころの官兵衛を連れて城に来たとき、初めて交わした言葉がこれだ
やっぱり第一印象は…
光「(…暗。)」
…と、あまりいい感じではなかった
光「(…仲良くなってもあんな感じなのか？)」
そこからちょいちょい万吉は城に来るようになって…
光「…よっ！万吉！」
万吉「…(ペコ」
光「(…それだけぇ⁉)」
光「おお！万吉！やっほー！」
万吉「…」
光「なぁ万吉ー」
ただの興味本位でなんとなく彼によく突っかかるようになった
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サクラハナミズキ(プロフ) - 稀代さん» ありがとうございますっ！すごく嬉しい…(*^^*)！更新がんばります♪ (2019年6月21日 17時) (
レス) id: db2bd56246 (このIDを非表示/違反報告)
稀代(プロフ) - めっちゃ面白いです！更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2019年6月19日 21時) (レス) id: 409dd2a048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サクラハナミズキ（前名:桜 水樹） | 作成日時：2019年3月27日 8時
