85.人間関係 ページ36
はく「友情や、愛情なんて、そんなの確証がないじゃないですか」
母親が息子をころす
子供が親をころす
兄弟が殺し合う
そんなの珍しいことじゃない
はく「実際に、信長様は弟に手をかけた。斎藤道三は息子に殺された」
はく「血のつながりを持つ者同士がそうなるのだから、血のつながりを持たない者同士なんてもっと…」
はく「それに、浅井だって…！」
あ…
はくは吉継の顔をみて言葉を飲み込む
はく「あの…その、ごめんなさい。」
吉継「いや…気にするな、わかっている」
吉継「…長政様は信長様に殺された。」
吉継「…確かにお前が言っていることもわかる。確かに人との繋がりなんて脆い」
吉継「しかし、脆いからいいのではないのか？」
はく「…は？」
吉継「脆いからこそすぐに亀裂が入る、脆いからこそお互いが歩み寄ろうとする、脆いからこそお互いが大切にするのではないのか？」
吉継「…それが人間とゆうものではないか？」
はく「…理解できません」
はくはそうつぶやくと吉継に手当のお礼として頭を下げ、部屋を出た
少し冷える風を頬で感じながらはくは屋根に登り腰を落とし、瓦のくぼみに手をかけた
日は沈み、もう夜だ
はくはねねから受け取ったおにぎりを一口だけ口に含みながら包帯が巻かれた足に視線を落とした
「人が嫌いか？」
「…それが人間とゆうものではないか？」
吉継の言葉が頭をよぎる
この乱世でまず人との繋がりをあてにするなんてことが間違っているんだ
脆い糸をどんなに絡ませても所詮糸は糸だ。
刃物を当てると簡単に切れてしまう
はくはもう一口食べながら一愛達がいる大広間の部屋を上から眺める
明かりがつき、ガヤガヤと賑やかな声が聞こえる
はく「…大嫌いだ。」
はくは包帯を取り、風に任せて投げ捨てた
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サクラハナミズキ(プロフ) - 稀代さん» ありがとうございますっ！すごく嬉しい…(*^^*)！更新がんばります♪ (2019年6月21日 17時) (
レス) id: db2bd56246 (このIDを非表示/違反報告)
稀代(プロフ) - めっちゃ面白いです！更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2019年6月19日 21時) (レス) id: 409dd2a048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サクラハナミズキ（前名:桜 水樹） | 作成日時：2019年3月27日 8時
