81.かざぐるま ページ32
はく「(えぇっと、こうゆうときは…?あぁ、わかんない…)」
受け取ったかざぐるまに顔を近づけはくはぎこちなく笑いかける
はく「あ…すごく、嬉しいです。でも、どうして私なんですか?」
「おねえさんは、好きな人いるの?」
はく「ぶっふぉっ!!!」
突然ぶつけられた爆弾にはくは思わずむせる
はく「(ななな、なにいってんの!?!?この子!?)」
はく「いませんいませんいません!!!!!」
必死にブンブン首を振りながら否定する
はく「(…あれ?なんで私こんなに必死になってんの…?)」
「そーなの?、あのね、あの綺麗なお姉さんは好きな人がいるんでしょ?だったらもうこっちに帰ってこないかもしれないでしょ?」
はく「(…んん??)」
「だからね、またおねえさん返してほしいの」
はく「あ…あぁ、そうゆうことですね…」
「うん!また!会いに来てね!」
いろいろと爆弾な子だけど、また自分に会いに来てほしいと言われているのは…嬉しい
でも
はく「…わかりました。また、」
どうしてもはくは曖昧な返信しかできなかった
はく「(だって…)」
この子は、この人達は、敵国の人達なんだから
この人達は自分達が巫女だと思っているから、
「約束ね!」
あどけなく笑うその幼い顔に苦しさがこみ上げてきながらもはくは微笑んだ
はく「ふぅ…」
はくは馬にもたれ、一愛を遠くから見つめる
まだニコニコ笑いながら雑談を楽しんでいる
はく「(姫様は…踏み込みすぎなんだよ…)」
あの人は優しすぎる
だから心配なんだ
隆景「…彼女は、優しい人ですね」
そんなはくに隆景は隣に立ち話しかける
はく「(…わかってんだ、この人は)」
はく「…だから心配なんです」
隆景「…彼女は近江に戻ったら、私達は元の関係にもどってしまいます。できるだけ、お互い穏便な道を選びましょう」
はく「……はい」
風が吹きかざぐるまがくるくる回る
はく「(…最悪な場合、戦になるのかな)」
大丈夫
私は、斬れる
この温かい笑顔も、あのあどけない笑顔も、
全部、
それが“わたし”なんだから
姫様が手を汚さなくて済むのなら、
もう、あんなことはさせない。
絶対
はくはくるくる回るかざぐるまを手で止めた
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サクラハナミズキ(プロフ) - 稀代さん» ありがとうございますっ!すごく嬉しい…(*^^*)!更新がんばります♪ (2019年6月21日 17時) (レス) id: db2bd56246 (このIDを非表示/違反報告)
稀代(プロフ) - めっちゃ面白いです!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2019年6月19日 21時) (レス) id: 409dd2a048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サクラハナミズキ(前名:桜 水樹) | 作成日時:2019年3月27日 8時