72.さざめ7 ページ23
『え…?』
元就「私の趣味は本を執筆でね、彼女に新作ができる度に送っていたんだ」
元就「彼女も私の作品を楽しんでくれててね、いつしか本だけでなく文のやりとりもはじまってね」
それで、事件のことを知ったんだ。と、元就は微笑んだ
元就「それでいつも著作を送ってくれるお礼に、て彼女がくれたんだ。」
『……』
一愛は慎重にその小さな箱を開けた
隆景も隣に座り、箱の中を見つめる
するとそこには…
隆景「これは…」
『…耳、飾り…?』
小さな箱に入っていたのは長めの垂れた装飾品が特徴的な耳飾りだった
そっと手に取ると細やかな硝子細工がキラリと控え目に光る
『片方だけ…』
垂れた硝子細工同士が重なるとチリンと短い音を出す
『元就殿…このような趣味が…』
元就「ちがうよ、なんで今そうゆうことゆうかな。」
元就「隆景、この耳飾りに見覚えはあるかい?」
隆景「……はい…、これは…」
隆景が悲しそうに、そして懐かしそうに目を細めながらいった
隆景「彼女が…さざめ殿が普段から身につけていたものです…ですが、なぜ片方だけ…」
元就「私が頂いたのはこの片方だけだ。なんせ、この遺品は私が彼女から直接受け取った唯一のものだからね。」
元就は開き直り、Aに向き合った
元就「それは、娘である君に託されるべきだと私は思う。」
『…母上の…』
手の平に乗った耳飾りを見つめながらその重みを感じる
元就「……行くかどうかは君が決めるべきだけど、行ってみないかい?」
『え?』
一愛は耳飾りに落としていた視線を上げる
元就「君の…父親である橘家の墓を」
『…………え…?』
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サクラハナミズキ(プロフ) - 稀代さん» ありがとうございますっ!すごく嬉しい…(*^^*)!更新がんばります♪ (2019年6月21日 17時) (レス) id: db2bd56246 (このIDを非表示/違反報告)
稀代(プロフ) - めっちゃ面白いです!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2019年6月19日 21時) (レス) id: 409dd2a048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サクラハナミズキ(前名:桜 水樹) | 作成日時:2019年3月27日 8時