51.偽善者 ページ2
？？？「それでは、参りましょうか」
青年は自分の馬に乗り、彼を先頭に二人がつづく
？？？「このあたりは人通りがすくないんです。宿も他の土地に比べて少ないですし、あったとしても先にはいっていることが多いんですよ」
『…そうですか…』
馬がぎりぎりの道をどんどん進んでいく
日も暗くなり、夜が近づいてくる
一愛は来た道を慎重に振り返りながら道をおぼえていく
はく「……」
はくは警戒心を露わにし、一言も喋ろうとしない
この青年がおかしな行動をすれば今すぐにでも斬りかかりそうな雰囲気を放っている
ここでこの人を斬ってしまってはだめだ
この人はただ者じゃない
この人に私達が羽柴の者だということがバレてはいけない
？？？「…なぜ安芸の国へ…？」
『え…』
張り詰めた空気をほぐすように青年は微笑みながら一愛に話しかけた
？？？「巫女として…馬を使っているのはただの修行を交えた旅でないからでしょう？」
『…亡き母について…なにか手がかりがあると思い…』
？？？「…母方殿はなんとゆう名だったのですか…？」
『…詳しいことはあまりわからないのです。私は…母の姿さえ覚えていないので。ただ安芸で生まれ育ったことぐらいです』
はく「……」
？？？「そうですか…失礼しました。」
青年は前へ向き馬を進める
？？？「……所で、貴女の側にいる方が比較的動きやすそうな身なりをしているのはいざとゆうときのためですか…？護衛の忍として。」
『！』
はく「……っ！！」
駄目だ。感づかれてる
『ｺｿｺｿ)…だめよ、はく。冷静を保ちなさい。』
忍ばせている小刀をとろうとしているはくの手を防ぐ
はく「………っ」
一愛は前を向いて進んでいる青年の背中をじっと見つめる
…スキしかない。
相手にこんな無防備に背中を見せるなんて
…私達の正体がわかっているとしたら斬ってくださいと言わんばかりの行動
これはなにかを知っている
知っていての行動だ
私達の意図を知っておきながらシラをきっている
青年に聞こえないように声を潜めてはくに告げる
『…はく、よく聞きなさい。今来た道は覚えているわね？幸い馬も手元にあり、日も完全に沈んでいない。』
『私が合図を出したら一人で城へ戻りなさい。秀吉様とおねね様にこのことを伝えて』
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サクラハナミズキ(プロフ) - 稀代さん» ありがとうございますっ！すごく嬉しい…(*^^*)！更新がんばります♪ (2019年6月21日 17時) (
レス) id: db2bd56246 (このIDを非表示/違反報告)
稀代(プロフ) - めっちゃ面白いです！更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2019年6月19日 21時) (レス) id: 409dd2a048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サクラハナミズキ（前名:桜 水樹） | 作成日時：2019年3月27日 8時
