夕餉です ページ19
弁丸｢…佐助、うるさいでごさる｣
佐助｢だってさぁ！って旦那、起きてたの！？｣
A｢おはよう、弁丸｣
不機嫌そうな弁丸は私の足元へ倒れ込む。そのままスースーと寝息をたて始めていた。
佐助｢旦那ったら…｣
ゲーム機を置いて弁丸を抱き上げる佐助。肩を叩くとゆっくりと目を開けるが、佐助にへばりついて唸る。
佐助｢ちょっと旦那〜｣
弁丸｢う"〜ん｣
がっしりとへばりつく弁丸は佐助を無視して寝続ける。佐助は大変だなぁ。
私は席を立ち、キッチンへ向かう。そろそろご飯の支度をしなければならない。いつもより早いがおかずの準備。
小十郎｢悪いが見させてもらうぜ｣
後ろから小十郎が監視する。少し緊張をするが仕方が無い。
A｢梵天丸は？｣
小十郎｢あぁ、梵天丸ならほら｣
小十郎の視線の先には、佐助にへばりついている弁丸に｢ゲームやろう｣と誘う梵天丸の姿があった。
A｢楽しそうでなによりです｣
小十郎｢あぁ｣
一安心したところで、晩ご飯の準備に取り掛かろう。昼に買ってきた野菜を切り始める。
小十郎｢…！危ねぇぞ！｣
A｢え？｣
急に声を上げ包丁を持つ手を掴まれ、ドキリと心臓が音をたてる。もちろん、私の顔もだんだん赤くなっていった。
小十郎｢野菜を持つ手が違う。手を切っちまう｣
私を後ろから抱きしめるようにして手を添える。その手からは小十郎の体温が伝わってきた。
小十郎｢野菜を持つ手は猫の手だ。指先を丸めて…｣
丁寧な説明が吐息とともに耳に囁かれる。その声はゲーム以上に色っぽい声で、頭の中を支配された。
小十郎｢…おい、聞いてんのか？｣
A｢…｣
佐助｢ほら、右目の旦那。退きなよ｣
小十郎｢…！｣
小十郎は｢す、すまねぇ！｣と慌てながら手を離し、私を解放する。自分の行動に気づいたのか少し錯乱しながら私から離れた。
私は小十郎に教えられた通りに、猫の手でゆっくりと野菜を切る。その手は少し震えていた。
佐助｢竜の右目も伊達じゃないってね｣
小十郎｢…うるせぇ｣
2人がコソコソと言い合っている間に肉や野菜を炒め、鍋に入れる。水とルーを入れてあとは煮えるのを待つだけ。
ご飯が炊き上がったので、お皿に盛るとルーをかける。これで完成だ。
小十郎｢何だ？この食べ物は｣
佐助｢初めて見るんだけど｣
A｢これは『カレーライス』って言う料理。お口に合うか分からないけど…｣
カレーの匂いに誘われて、ゲームをしていたお子様も近寄ってきた。
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つる(プロフ) - 葦原 さくらさん» コメント、ありがとうございます！蒼紅、いいですよね〜！読んで下さっただけ、光栄の極みです！ゆっくりですが、頑張って更新しますね！ありがとうございました！！ (2018年5月24日 2時) (
レス) id: 5e578453d0 (このIDを非表示/違反報告)
葦原 さくら(プロフ) - コメント失礼致します。蒼紅推し、わかります。私は政宗様が推しですが、幸村も好きなので。とても楽しく読ませて頂きました。お忙しいとは思いますが、更新頑張って下さい。応援しております (2018年5月23日 15時) (レス) id: 1d858c77e8 (このIDを非表示/違反報告)
つる(プロフ) - 来兎さん» ありがとうございます！そう思っていただけて嬉しいです！頑張りますね！ (2018年4月22日 20時) (レス) id: 3957b1ebb1 (このIDを非表示/違反報告)
来兎 - とっても面白いです！更新頑張ってください！ (2018年4月22日 1時) (レス) id: a4dbc12876 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東雲 | 作成日時：2018年4月16日 1時
