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115.魔法は希望 ページ9

作戦は開始された。2、3人組での捜索を開始し、エル姉の元には私とルーシィ、ヒビキが残る。



貴「………。」

ル「ユイも顔色悪いわよ。」

貴「大丈夫。」



例の魔法陣は未だに解除出来ず、魔力が体内で暴れまわっている。
それでも倒れるわけにはいかない。



ヒビキ「ユイちゃん。無理しないで。」

貴「無理はしてないよ。大丈…っく!」



血がまた溢れる。喀血が止まらない。



ル「ユイ!?」

貴「いつものことだから心配しないで。」



魔力が不安定になるたびに喀血してきた。今回はいつもよりも多いけどどうにかなる。



ヒビキ「いつも?」

ル「そんなの見たことがないわよ!」

貴「……魔力が安定してない状態なんだ。ブレインの魔法陣に引っかかってそれが解除できない。」

ル「それってどういう魔法陣なの。」

貴「魔力を増幅するものっていってた。」

ヒビキ「魔力を増幅する魔法陣……僕のアーカイブで解除方法を調べてみるよ。」

貴「あり…が……とう。」



近くにあった木に寄りかかり、そのまま意識を失った。









満開の桜で彩られた一本道。ここにいるということはきっと夢の中。それにしてもずいぶん久しぶりに来たような。

今日の行き先はどこへ行くのかな?



これは遠い昔の記憶。



ジェラール「魔法を使いたいのか?」

貴「うん。そしたらねお兄ちゃんみたいになるの!だからね、おしえて!」

ジェラール「といっても、オレもまだ父さんから教わったばかりだから教えられないんだ。ゴメンな。」

貴「お兄ちゃんのけち。」

ジェラール「うーん。あ、じゃあ大事なことだけ教える。」

貴「だいじなこと?」

ジェラール「魔法は使用者の心を映すもの。父さんはそう言ってた。だからユイが望めばどんなものにもなれる。魔法は希望なんだよ。未来を照らす星のようなものさ。」

貴「まほうはきぼう!」

ジェラール「そう。もしかしたらその力でユイの中にいる悪いのをやっつけられるかもな。」

貴「ほんと!?」

ジェラール「ああ。」




魔法は希望。未来を照らす星……か。

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作者名:刹那 | 作成日時:2020年3月30日 8時

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