145.元騎士 ページ39
ナツはエル姉がいる方角は避けたいらしい。私はちょっと会ってみたい。
ナ「王様はどこにいるんだ！？」
貴「この城、アースランドの常識と違いすぎて構造が掴めない。」
ル「そうね。コンセントリック型城塞のようでどこか違う……この調子じゃ城内に遊園地があっても驚きそうにないわね。」
あ、フラグを即回収した。本当に遊園地があるね。
書籍で見た写真よりもすごい……軽快な音楽と大きな建物！初めて見るけど、遊園地ってこんな感じなんだ。
これって無駄に魔力を使っているんじゃ……？
？「んー楽しいねぇ〜！」
なんだあの人……ぐるぐる回るファンシーな馬に乗って喜んでる。
貴「船！？」
？「このスッゲェ魔力がさぁ、この世界からもうすぐなくなっちゃうんだ。アンタらにその気持ちわかる？」
貴「(敵、だね。二人とも手練れっぽい。)」
こっちに来た！まずは敵が操る舟を破壊する！
貴「樹竜の咆哮！」
？「これがアースランドの魔法……」
グ「先に行け、ユイ。この中で一番この城のこと分かってるだろ。」
貴「うん……任せた。」
？「行かせない！」
グ「させるかよっ！」
……そっちは大丈夫だね。
遊園地を抜けると長い廊下に繋がっていた。王城の中で王が在中するならば、やはり……奥しかない！
貴「元騎士、舐めないでよね！」
曲がり角の方から誰かの気配がする。
？「ひ…姫様！どうか助けてください……。」
エドラスの私と勘違いしている。って、足の怪我がひどい！
？「ココ！待たぬか！！」
目の前の子はココといって追いかけられている、か。
貴「足どうしたの！？」
ココ「鍵を持って……逃げてください！」
？「早く鍵を渡せ。」
ココ「バイロ……この鍵を使ってリリーを犠牲にするつもりなんでしょ！渡したくない！」
バイロ「ひ、姫様！？……謹慎されていたはずではありませんか。」
……なるほどね。状況を理解した。
その鍵、魔力が滅竜魔導士のそれと一緒だ。たぶん竜鎖砲を撃つためのものだと思う。そして目の前にいる二人は王国軍の人間。ココっていう子はまだ交渉の余地があるけれど、少なくともバイロとかいう老人は敵だ。
エドラスの私を軟禁していたヤツだ。
貴「エドラスの私を軟禁したのはキミなんだね。それと、女の子を痛ぶるのはどうかと思うけど。」
バイロ「まさか……貴様！」
ココ「アースランドの姫様！？」
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作者名：刹那 | 作成日時：2020年3月30日 8時
