135.ギルダーツの依頼 ページ29
ナツとは別々に呼び出したから、少し時間をずらしてギルダーツの家に行く。
貴「ギルダーツ来たよ。話って？」
ギ「おー、ユイ！最近ラクサスとはどうよ？どこまで進んだんだ？」
貴「ラクサスは破門になったよ。」
ギ「！すまねぇ……今日はどうも地雷を踏んじまうな。」
ナツにもなんか言ったのかな？3年前ならリサーナのこととか？
ていうかなんでラクサス……まるで私がラクサスのこと好きみたいじゃん。そういうのとは違う、どっちかというと2人目の兄……いや、でもなんか違うような？
貴「そういえば今回はどれくらいギルドにいるの？」
ギ「そうだなぁ、まだ決めてねえ。今回のクエストで派手にやられちまったし、しばらくは休むかな。」
ギルダーツが派手にやられるって想像もできないんだけど……。
ギ「んで、話ってのはそれに関してだな。まずはこれを見てもらえるか？」
ギルダーツがマントをめくる……っ！？
ギ「黒いドラゴンに会ったんだ。ほとんど一瞬、左腕と左足、内臓もやられた。」
貴「すぐに治療しないと！……そうだウェンディなら！」
ギ「手当てはしてあるし落ち着け！大丈夫だから。」
貴「で、でも！」
ギ「オレはちゃんと生きてるし、傷はまあ見た目ほどじゃねえ。ていうか……おまえが人の心配するって変わったな。」
貴「別にいいでしょ、同じギルドなんだから。」
3年前に比べて変わった……ね。まあ、確かにそうかも。
ギ「で、話を戻すぞ。オレからユイに個人的に依頼したいことがある。」
貴「その黒いドラゴンの調査、及び討伐？」
ギ「ああ。オレが知る限り最強の滅竜魔導士であるユイに頼みたい。報酬はそちらで決めてもらって構わない。」
報酬を定めない程の個人的な依頼。私的な依頼はギルドの掟にも反することをギルダーツはわかっている上で……前やった10年クエストよりも遥かに難易度が高いってことだよね。
ギルダーツにそこまで言わせるドラゴンって何者……ていうか私で太刀打ちできるの？
ギ「あれは人類の敵だ。アイツは今もさまざまな大陸を駆け回っているかもしれねえ。そのうちオレらを滅ぼすだろう。」
大陸！？そこを探し回るだけで何年かかるんだろう……その頃に生きているのかな。
貴「……その依頼は受けられない、ごめん。」
ギ「いや、すまん困らせるつもりはなかった。そりゃあギルドの掟に反することはできんよな。」
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作者名：刹那 | 作成日時：2020年3月30日 8時
