132.特別任務 ページ26
まさか初代マスターと会話することになるなんてね。天狼島はほんとに不思議な場所だ。
メ「貴方の体はあと4年も持たないのですね。」
貴「どうして初代がそれを!」
メ「天狼島に入る直前までの異常なまでの血色の悪さ、S級魔導士の実力を持つ貴方がこの島で休みながら移動をしていたこと……」
私はギルドの紋章を持つからこそ天狼島では加護が与えられている。しかも、ここは生命力に満ちた木々やこの島を支える豊かな大地がある。両方の特性を持つ滅竜魔導士が最も得意とするフィールドだ。的確な分析、そしてそれらの状況を加味した上での鋭い考察。
……流石、妖精軍師と謳われた初代マスター!
貴「あはは、なんでもお見通しっていうことですね。参りました。」
メ「貴方は歴代魔導士の中でもトップレベルの魔力量です。私やマカロフを上回るほどの潜在力を持っています。あと5年もあれば貴方はこの大陸で最強の魔導士になるでしょう。」
貴「大陸最強って……流石に買いかぶりではないですか?」
それにあと5年も生きられない。激しい戦いをしているとなんとなくわかるんだ。命を削っている感覚が。
メ「マカロフから聞いていますよ。冷静かつ的確な状況判断を行い、ギルドを簡単に纏め上げるカリスマ性。多彩な魔法への適性、豊富かつ超強力な滅竜魔法を使いこなし、それを支える最高レベルの魔力を持つ。」
マスター、誇張し過ぎでは?
メ「その一方で圧倒的に体力が足りない。病弱を越える虚弱っぷりは能力を制限する足枷となっています。他にも何か邪悪な気配を感じるのですが、そこまでは……。」
貴「!」
メ「あっ!」
いかにも聞いて欲しそうに目をキラキラさせて……仕方ない、ここは乗るか。
貴「ど、どうかしましたか?」
メ「いいことを思いつきました!ユイ、貴方は私の弟子になってください!ユイが持つリミットを私が解除してみせます!」
貴「えっ!?弟子!?」
初代の弟子……とても光栄なことだとは思うけど。
ここまで通わないと行けないの?……メンドクサイナー。でもリミットを解除するって話は気になるし……うーん。
メ「通う必要はありませんよ。ですから、今日から弟子になってもらっても問題はありませんね!」
貴「そんなメチャクチャな……。」
メ「師匠に口答えはしないでください。いいですね、ユイ?」
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作者名:刹那 | 作成日時:2020年3月30日 8時