120.遠ざかっていた運命 ページ14
気持ち悪い。
ニルヴァーナの本体は時々動くから乗り物酔いしそう。あちこちで戦闘音が聞こえるし、みんな戦っているんだ。
ジェ「ユイ、大丈夫か?」
貴「いつものことだから気にしないで。」
心配そうに見つめる姿は昔とまったく一緒で……不謹慎だけど嬉しい。
ジェ「いつものこと、か……オレはキミのことを何も知らないんだな。」
楽園の塔での出来事があるからこそジェラールがそんな風に落ち込んでいるとなんか変な気持ちになる。それに、そのセリフは自分にも当てはまる。
貴「知らないのはお互い様。……私もジェラールのこと全然知らないから。」
私には血の繋がりがないけれど、大切な
それでも、唯一の肉親のことを何も知らないから……なんだろう。胸がキュって痛む。
エ「長いこと離れていたんだ、仕方ないだろう。大事なのはこれからお互いを知っていくことではないのか?」
貴・ジェ「!」
エ「反応がまったく一緒だ。2人は本当に兄妹なのだな。」
ジェ「そうか……もしそうだったら嬉しい。」
貴「なんか調子狂うね。」
そっか……兄妹か。
ミッドナイト「見つけた。」
貴「キミは……ミッドナイト!」
ミッドナイト「六魔の半数がやられたみたいでさ、父上もかなり怒っているんだよね。このボクを呼んだんだから。」
すごい魔力量!六魔将軍の中でもトップクラスかも。
それにしても、みんな倒せたんだ。バラバラになっちゃったから心配していたんだけど……よかった。
ミッドナイト「で、なんでアンタはそっちサイドにいるわけ?本来ならボク達サイドでしょ。」
ジェ「……っ、それは。」
ミッドナイト「今からでも遅くないけどどうする?ソイツらを裏切って、ボク達と来ることもできるよ。」
お兄ちゃんがまた敵に?そんなことはさせない!
ジェ「下がっていろ。ユイ、エルザ。」
さっきの魔法で消耗しているのに、敵将と戦うつもり!?
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作者名:刹那 | 作成日時:2020年3月30日 8時