72.皮肉な運命4 ページ12
違う!?今の話だと木属性と大地属性の二つだと思ったんだけど。
ジェラール「だが、そこまで教えてやる義理はない。」
貴「じゃあ私が勝ったら教えて。」
ジェラール「断る。」
っ!?また
貴「はやっ。加速してる！？」
ジェラール「遅い！」
貴「！ガハっ」
宙に浮く。吹っ飛ばされたんだ。クリスタルで出来た床に体を打ちつける。……イタタ。お腹蹴られた。かすかに血の味もする。そろそろキツイな。
ジェラール「桜姫の実力はそんなものか？報告と違うじゃないか。」
私の異名！？ということはある程度調べているってことか。イタタ。お腹に手を当てつつ起き上がり、キッと睨みつける。
ジェラール「桜姫の象徴的な得物、桜刹という名の刀だったか？
貴「キミが期待するほどの力はなかった。ただそれだけのことだ。」
ジェラール「本当にそうだろうか？」
背筋が凍る。全てを見透かされているみたいでコワイ。
……この前のことも。
ジェラール「そういえば、ファントムと揉めたらしいじゃないか。」
貴「！」
ジェラール「やはり、それか。ファントムのマスタージョゼがやらかしたらしいな。……聖十大魔導の恥が。」
今は思い出してはいけない。間違いなく弱みを握られる。戦況が悪化する。
血の味が濃くなった。
貴「急に世間話？今、そういうムードじゃないけど。」
ジェラール「お前は奴を殺しかけた。」
貴「！！！」
ジェラール「血、苦手だったよなぁ。すごかっただろ？相手も自分も血だらけで。」
貴「…っ、もうやめて。」
必死に振り払うが、脳裏にあのときの光景が広がる。
きつい濃厚な死の香り。気がついたらミラに抱きしめられていて、体中に血がベッタリとついていた。鉄の味。目の前には青ざめた表情のジョゼ。既に戦意を消失し、ただ死への怖れを抱いている。
そして、冷えきった手にはあの頃の鎌。……フォルシュトレッカー。冷徹な執行者へと変化する魔の鎌。さらなる罪を生み出す。
ジェラール「皮肉だよな。
仲間のためにやっていることでも自分が傷つき、壊れていく。
生まれた時から過酷な使命に縛られ、血に染まり行く。バッドエンドからは逃げられない。
……これがお前の
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刹那(プロフ) - 感想ありがとうございます！更新がかなりゆっくりになってしまいますが精一杯頑張ります！ (2018年12月15日 15時) (
レス) id: eeb9f84870 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - はじめまして！とても面白かったので大変だと思いますが頑張ってください！続き待ってます(*´-`) (2018年12月9日 22時) (レス) id: f430c0199a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹那 | 作成日時：2018年10月8日 10時
