33、2人だけの話 ページ38
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神奈川に来た理由の二つ目は、私の母のお墓参りをする事。
最後の一つは…帰る前に東京へ行き、征くんのお母さんのお墓参りにも行く事だった。
子供ができた報告と結婚の報告をかねて明日、2人で向かう予定だ。
夕日が灯る海の浜辺で私たちは手を繋いで2人歩いた。
赤「…そういえば、何かオレに言いたい事があって走ってきたんじゃなかったの?」
征くんがそう私に問いかけた。
貴「あ!そうなの、この貝殻見て欲しくってー」
すでにさっきの件で色々と忘れていた私は、パァッと明るい顔をしてポケットをゴソゴソと探る。
貴「………」
(割れて粉々になった貝殻たち)←
赤「……A(貴「割れとるーーー!!!涙」←
…また一緒に拾おう?ほら、足元に綺麗な貝殻沢山あるぞ?」
貴「うん…_(:3 」∠)_」
そういって2人でしゃがみ込んで砂浜の貝殻を探す。
優しい征くんは、私のくだらない趣味にも笑顔で付き合ってくれる。
好き…
その綺麗な手が砂まみれになる。
…あっ。
その時、彼の手首には私のあげたバングルが光っていた。
袖に隠れて、分からなかったな。
貴「…へへ、それ付けてきてくれたんだね?」
赤「ん?…ああ、これか」
私がそういうと征くんは大事そうに自分の腕を見た。
赤「Aから貰ったものだしね。
可能な限りは肌身離さず身につけるようにしてるよ」
ニコッと笑う征くんに私は嬉しくなる。
貴「ふふっ、お母さんにも明日見せてあげないとね?
ペンダントの素敵なデザインを拝借させて頂きましたよーってw」
何気なく言った一言に征くんの手が止まったのが分かった。
貴「征くん?」
私は彼の手元から顔を上げると、彼は下を向いたままで真面目な顔で少し考えていた。
やがて顔を上げて私と目を合わせた。
赤「…A。オレが今思ってることを言ってもいいか?」
貴「えっ、うん…」
赤「…オレは、物心つく前に母親を病気で亡くした。
そこからはずっと父さんと2人で過ごしてきたから、母親というものをよく知らない。
僕らは結婚して、これからお腹の子の親になる。
Aは母親になる。
…お父さんやお義父さん、洛山のチームメイトたちや涼太にも君の友人たちにも認めてもらえたけど、
Aのお母さんは、オレを認めてくれるだろうか?
母親を知らないオレを許してくれるのか…?」
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喜奈(プロフ) - ずっと追いかけていた作品でした。この作品に出会って赤司くんと黄瀬くんが本当に好きになりました。こんなに綺麗な作品他にあるのだろうかと思っています。私の黒バスの青春がたくさん詰まっている作品です。また最初から読みます!今まで本当にお疲れ様でした! (11月17日 1時) (レス) id: 914292acc3 (このIDを非表示/違反報告)
ユリイカ - たまたま通知が届き、まさかと思って久しぶりにサイトを開いたらこの作品が完結してて夢かと思いました!今日まで最初から全話読みかえしました。分かっていてももうずっと号泣ですw特に神奈川勢の友情がほんとに泣けます。長期連載、本当にお疲れさまでした。 (11月1日 16時) (レス) id: 88c818d4ea (このIDを非表示/違反報告)
律果 - ユズキんさん、待ってました!待ってました!!長い間更新されてなかったのにすべての伏線回収をされ、さすがの文才で完結させて下さいました。この物語ずっと大好きでした!感動と幸せでいっぱいです。素晴らしい作品をありがとうございました! (11月1日 15時) (レス) id: 2f1a6ece96 (このIDを非表示/違反報告)
カコ - 一日でシリーズ全話読破させて頂きました!読後、めっちゃ幸せな気持ちになれる作品だと思います。時々ボロ泣きしながら読んでいました。素晴らしい作品をありがとうございます! (2018年2月12日 19時) (レス) id: 667d573e94 (このIDを非表示/違反報告)
きい - 初コメです!この作品の本編の最初からずっと読ませていただいています!とてもとてもいいお話で何回も泣かされています(笑)この作品もユズキんさんも私は大好きです!応援しています! (2017年12月2日 11時) (レス) id: 934f3f5608 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユズキん | 作成日時:2015年3月10日 18時