赤司 Can I have you？ 「…私もあなたがほしいです！」

29、友達 ページ34

【黄瀬said】






黄「…えっ……み、瑞希っちも朝比奈っちもどうしたんスか？」




2人の様子にオレはしどろもどろになる。


肩にある瑞希っちの手に力が入るのが分かる。







瑞「…オレは今日まで

黄瀬くんがどんな思いで過ごしてきたのか、

想像することしかできない。


赤司くんよりもAちゃんと出会うのは遅かったんだろうし、

彼がずっと何年もAちゃんを思ってきた事がどれだけ凄い事かも分かる…




だけど、君だって

ずっと…Aちゃんを大切に思ってきたじゃないか！


赤司くんと結婚しても妊娠報告を聞いても

自分のことのように心の底から喜んで


大事に大事に…思ってきたじゃないか！




そんな君のどこが…自分のことだけなんだよ…！」





瑞稀っちは途中ついに堪えきれなくなって、ぼろっと涙を流す。




朝「確かにあの2人が幸せになる姿を見れてすごく嬉しい。

Aの笑った顔が見れるなんて、私にはもう無理かもしれないと思っていたから…


本当に嬉しいよ」





朝比奈っちもずっと涙を拭ってる。

途絶え途絶えに一生懸命言葉を繋いでくれる。





「でもそんな私たちがあの子に会えるのは、
ずっと黄瀬くんがAと繋がっていてくれたからだよ！


2人が色んな気持ちを乗り越えて今の関係を作ってくれたから…




それにあの時、
黄瀬くんは傷ついてもずっとAのこと思ってたでしょ？

私なんかずっとあの子と一緒なのに
自分が傷ついたからって一瞬でAの事を信用せず離れたのに…


黄瀬くんは傷ついてもそれでも理解しようとしてた。

信用がなくなっても、他の人がAの噂を話してても決して、Aの事を人に悪く言ったりしようとしなかったじゃん！


今だってAの幸せをずっと願ってる…





なのにどうして、そんなに自分の事を下げるような言い方をするの？


私はそれが…それが悔しい…！」






うっうっと嗚咽混じりに鼻を真っ赤にして泣く朝比奈っち。



黄「朝比奈っち…」

瑞「智香…」





朝「…ずっと近くで見てきたつもりだよ？
今まで。黄瀬くんのこと…


ファンだった時も友達になってからも
ずっとずっと。

…ずっと…黄瀬くん、頑張ってたよ。


それに友達だから…2人とも。
自慢の私の友達だから…



2人とも幸せになってほしいし、

2人ともをよく頑張ったね、えらいって
すっごく褒めて、


今までの事をたくさん労ってあげたいよ…」







思わずオレもぼろっと涙が出た。

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