赤司 Can I have you？ 「…私もあなたがほしいです！」

27、清廉潔白 ページ32

【黄瀬said】





赤「…涼太は、少し自分を過小評価しすぎじゃないか？


オレだって何でもAに本音を言うわけじゃないぞ？」



そういう赤司っちにオレはハハっと笑う。




黄「違くて…、もっと性格の本質的な話っスよ。



まあ、赤司っちって
意外とそういうくすんだ裏の部分とか持ち合わせてないっスもんね？


割と素直で清廉潔白な感じ！」




赤「…何か馬鹿にしてないか？涼太のくせに」



黄「いやいや、めっちゃ褒め言葉なんスけどw

分からなくていい話っスよ？」




ムッとした表情の赤司っちにドードーと手を前に出す。








黄「…そういや、オレも

赤司っちに聞きたい事があったんスけど」



赤「何だ？」




ふと、今まで疑問に思っていた事を聞こうと思った。






黄「赤司っちはどうして、

ずっとAの事を好きでいられたんスか？



正直なところ10年間も
ずっと会っていなかった女の子を思えるって無理あると思うんスけど…


だってどんな子になってるか分かんないし、

会えるかどうかも分かんなかった訳じゃないっスか。



何でなのかな…って？」




そう質問すると、赤司っちはキョトンとしてオレを見た。

そして、あー…と首元を触りながら少し考える。







赤「なんというか…

ずっと記憶の中の彼女が片隅にいて、
オレの中で美化されていってたんだ。

理想の彼女がそのままであることを信じて疑わなかったし、

自分の私生活でも恋愛の優先度が低かったってのもある。


実際、その子が許嫁だった事が分かってからもより美化されていってな？

他の女性にも特に興味も抱かなかったし、なおさらだな。」





黄「おおう…結構な期待度だったわけっスね、Aは…」



正直ちょっと引いたのは黙っておいた←





赤「でも、きっと会うまでは分からなかった。


前例も経験も今までなかったし、

もしAじゃない誰かだったとしたら、結果は違っていたかもしれない。

でも、そんな事はこちらの都合であって
相手の良し悪しをオレが決められる事じゃない。







だから、

正しく相手を思えたのはきっと再会してからだ。



オレが好きになったのは
再会してからのAであって、過ごしているうちに出会った頃よりも


より一層好きになった。」






赤司っちはオレを見る。


その赤い瞳に吸い込まれそうになる。








、










赤「涼太……お前がいてくれて、よかった。」








黄「え……」

28、意味があった。→←26、違う点

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す