12話 ページ16
マレウスside
＿＿＿＿＿＿気付けば雷音は消え、雨は止んでいた。
ただ、僕の心は晴れないままだ。
ﾏﾚｳｽ｢……もうこんな時間か｣
日が暮れてから時間が経ってしまった。
そろそろ寮に戻らないと、リリアに口煩く言われてしまう。
踵を帰し、寮内へ戻ろうとした時＿＿＿＿＿＿
《時の…ゆ………し…………》
ﾏﾚｳｽ｢…………？｣
東の方角から、懐かしい歌声が聴こえた。
…空耳か？幻聴なのだろうか。
《夢見…は……在りし日…き…く》
再び歩みを進めようとする僕を引き止めるかのように、またあの声が響く。
先程よりもはっきりと聴こえる。
ﾏﾚｳｽ｢……A…！｣
Aだ、間違いない…
僕が彼女の声を忘れるはずがない……！
あれは…あの“子守唄”は……
Aが僕だけに歌ってくれた子守唄…
ﾏﾚｳｽ｢何処だ、何処にいる？｣
彼女の歌声が響く方に目をやると、僕は思わず叫びそうになった。
ﾏﾚｳｽ｢…なぜ…………ナイトレイブンカレッジに？｣
嘘だ、嘘だろう？
100年もの間…あんなに探して、それでも見つけられなかったのに…
僕がのうのうと学園生活を送っている間、君はすぐ近くで100年も1人で苦しみ続けていたなんて…そんなこと…
ﾏﾚｳｽ｢A、今行く｣
後先なんて考えず、僕はNRCへと飛び立った。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿
ドクン……ドクン……
近づくほどに、鼓動が高まるのを感じる。
《冷たい音がする 涙の色が見える》
歌声が、僕の全身にのしかかってくる。
《憶えている 私は全て》
嗚呼、憶えている。
全身が、心が震えるほど…
ﾏﾚｳｽ｢………あぁ……！｣
そして、目にしたのは…
『《今こそ果たそう…》』
在りし日の、あの頃と変わらない。
僕の…僕だけのAが、そこにいた。
風になびく艶やかな髪、月明かりで輝く美しい瞳。
その全てに、僕はまた惹かれていた。
………生きてる、生きている
まっすぐ月を見つめ、彼女は歌っている
Aの姿を見た僕は、頬に違和感を感じた。
涙が、零れてくる…
自分でもどうしようもないくらい、溢れて止まらないんだ。
ﾏﾚｳｽ｢…………A｣
君に、ずっと会いたかった
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Rin(プロフ) - 続きが楽しみです 更新頑張って下さい (2023年4月20日 2時) (
レス) id: a3128229fd (このIDを非表示/違反報告)
出雲(元あやりん) - 若様ｧｧｧ！若様と誓いしていたなんて。おっし若様、アタシと結婚しまs((若様好きすぎて暴走してしまった。すk(((殴。すいません面白いですし、好きです (2021年10月22日 21時) (レス) @page21 id: afcb507146 (このIDを非表示/違反報告)
三月アリス - めっちゃ好きです！マレウス様かわいい！ (2020年9月7日 10時) (レス) id: 742f423e47 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 続き気になります。更新頑張ってください (2020年9月3日 17時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - え？めっちゃ好きです！！更新楽しみに待ってます！ (2020年8月20日 17時) (レス) id: 61644e4b7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：毘張 | 作成日時：2020年7月30日 1時
