さぁ魔女を殺せ！/救え！【歌い手】

第三十夜 ページ32

うらたぬきside


まふ「で！！そらるさんとAさんの関係は？！！」

坂田「今すぐ白状せんと、この城燃やすでぇ？！！」
うらた「やめろ。」
坂田「ハイ。」




大きな音を立てて、大理石の机を叩くはまふまふ。
坂田は隣で、自身の杖を掲げ、「今すぐ話せ」と豪語している。

正直なところ、煩いです。今すぐ黙れ。





『なんでこんなに必死なの、そらる。』

そらる「知らねぇよ、俺に聞くな。」

『えぇー。』





目の前には、仲良さげに話すそらるさんと魔女。

あんなにも魔女を毛嫌いしていたそらるさんが、こんなにも親しげに魔女と話す姿を見ることになるとは、夢にも思っていなかった。





まふ「それで！！どんな関係なんですか！！」

『どんなって……愛人？』
そらる「違ぇよ誤解を招くな。」

坂田「あっ、あい、愛人？！！」

うらた「いや今否定してたろ、アホか。」

まふ「本当の所は？！」

そらる「友人だよ、昔の。」

『えぇ、今は友達じゃないのかい？』

そらる「は、はぁ？！」





昔の友人だ、と告げたそらるさんに、魔女は拗ねたように頬を膨らまし、「今はそうでないのか」と問うた。当の本人であるそらるさんは、頬を赤く染め、小さな声で「今も、友人だよ。」と答えた。

嬉しそうに笑う魔女は、何だか、普通の人間みたいだった。





うらた「(なんで、こんなにも胸が締め付けられるんだろう。)」





奴は、嘗て一国を滅ぼした大罪人だと云うのに。

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