今日の相談「嘘の日」 ページ11
〜飴璃さんリクエスト〜
『…どうしたものだか…』
片手にコーヒー、反対側の片手に小さなメモを持ち、私は溜息を吐いた。私以外誰もいないオフィスは薄暗く、都会の灯りが薄らと社内を照らしている。
メモには綺麗な字で「HiMERUの嘘を見抜いてください」という文字と、謎の怪文書。
『…この文章の意味は多分…三番会議室の左隅…なんだろうけど。それにしても、嘘を見抜いてくださいって…』
高校は中退したものの、高卒試験を突破し教職に就いた私だ。頭はそれなりにキレる方だと、自負している。
故に、怪文書を解く事に対してはなんの障害も無いのだが…問題は、HiMERUくんの嘘についてだ。
『……取り敢えず、三番会議室に行こう。』
携帯の明かりを頼りに、踵を返す。数分もせずにそこへは辿り着けるはずだ。
辿り着いた三番会議室の左隅。
三番会議室は何故か、施錠したはずの窓が開かれ、春の冷たい夜風が流れ込んでいた。
その風に靡く、薄暗い会議室に映える水色の髪。遠くに光るビル光を浴びて、宝石のように輝く金色の瞳。
そう。このメモを書いた本人、HiMERUくんがそこにいた。
HiMERU「おや、早かったですね。」
『HiMERUくんにしては、謎が簡単だったからね。』
HiMERU「ふふ…確かに、HiMERUにとって、簡単なら、貴女にとっても簡単ですね。」
彼は口元に手をあてがって、上品に笑う。
そうして、「HiMERUの嘘は見抜けましたか？」と可愛らしい顔のまま私に問うた。
答えはもちろん、
『…うん、解けたよ。』
Yesだ。
HiMERU「おや、本当ですか？今日はエイプリルフールですし、バレないように、と難易度を上げたはずだったのですが。」
『もうエイプリルフールも終わりだし、問題も解かれたかったんじゃないかな。』
HiMERU「ふむ、解かれたいと問題が思う…ですか。興味深いです。」
会議室の端に立ったまま、彼は思考する。ブツブツと続く一人言を聞くに、もう半分程自分の世界に入ってしまったようだ。
そんな彼の頬に手を添えて、無理やりこちらを向かせる。
『"俺"くん、…みーつけた。なんて。』
HiMERU「…！」
『HiMERUの嘘は、"俺"の真。見抜いて欲しかったのはあなたの心。…"俺"くんは、推理はあまり得意じゃないもんね。』
HiMERU「…は、はは…本当、貴女には敵いませんね…」
勢いよく私を抱き締めた彼が、「"俺"、貴女が大好きです」と言いながら笑ってくれた。
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夜透田 流(プロフ) - 勿忘草色の蜜蜂さん» ありがとうございます！HiMERUくんキャラを掴みきれてなかった自覚があったので、そう感じて頂けて嬉しいです！ (2022年4月14日 20時) (
レス) id: d6a7ece567 (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草色の蜜蜂 - ひめる様ぁ…！すっごくよかったです！作者様ありがとうございます！ (2022年4月13日 20時) (レス) @page12 id: e814718385 (このIDを非表示/違反報告)
夜透田 流(プロフ) - moekaさん» コメントありがとうございます。現在作者の多忙につき、なかなか更新が出来ない状態となってしまい、今に至ります。本当に少しづつですが、下書きを進めていますので気長にお待ち頂けると幸いです。これからもよろしくお願いします。 (2021年10月18日 15時) (レス) id: d6a7ece567 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しく思います。楽しみに待ってます。 (2021年10月13日 3時) (レス) id: e9f0e4b4b1 (このIDを非表示/違反報告)
夜透田 流(プロフ) - しいなさん» コメントありがとうございます！コロナ禍ということもあり、大学生活が忙しく中々時間が取れず更新を止めておりました…少しずつでも進めていきますので、これからもよろしくお願いします！ (2021年4月29日 22時) (レス) id: d6a7ece567 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜透田 流 | 作成日時：2020年3月23日 14時
