第七十七話 五つ ページ35
胡蝶しのぶside
『表向きの主犯は、明智正信となっていますし、政府の方にもそれで書類を通しています。私が誤魔化しましたし、なんとかなるでしょう。』
宇髄「いや本当に平気なのかよ。」
『大丈夫だ、問題ない。』
伊黒「全く信用ならん。」
伊黒さんの重たい視線から意識を逸らすように咳払いをし、Aは「ここからはこれからの事です」と前置きをする。
そう、問題は「どう光条雪を葬るのか」なのです。
『あの女の拠点は紅蓮山。これは間違いありません。ですが、だからと言って真正面から突っ込む訳にも行きません。』
嘴平「じゃあ、どうすりゃいいんだよ。」
『私たちを五つに分けましょう。ここに留まり、お館様をお守りする部隊、それから東西南北の攻撃隊に分かれ、それぞれの方角から攻めます。彼女の血鬼術は分かりませんが、瞳に"無限"の文字が刻まれていましたし、強者であることに変わりはありません。』
それから、私たちは隊分けを行った。お館様を守る部隊を第一部隊、東西南北の順に二〜五と振り、特高警察のあのお二人を交えて相談しながら分けて行った。
東條「嫌です師範!俺も行きます!行かせてください!!」
『駄目だ、お前は行かせない。大人しくお館様をお守りしていろ。』
東條「どうして!!俺だって戦えます!鶴は連れて行くのに、どうして俺は連れて行ってくれないんですか!!」
隊分けの時間に合わせ、再び産屋敷邸を訪れていた二人の内の片方、東條喜助くんは、涙を堪えながらAさんに訴えた。黙々と柱を振り分ける彼女は、何故か、と問う彼に、遂に声を荒らげた。
『お前が大事なんだ!!』
東條「っ…」
『お前は怪我をしただろう!私の不注意で、お前は怪我を負った。そんなやつに刀を振るえと言う程私は鬼では無い。…もう、お前に傷を付けないとは約束できない。だけど、死なせたくないんだ。』
東條「…師範…」
『分かってくれないか、喜助。』
筆を置いて、しっかりと彼を見据え訴えるAに、彼はきっぱりと言い放った。
東條「いいえ、分かりません。師範。」
不知火「俺も、今回ばかりは喜助に同意する。」
喜助くんの隣に並び、鶴くんまでもが、そう述べた。
240人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜透田 流(プロフ) - ゆっくり四つ葉さん» これからちょこちょことしか更新できなさそうなのですが、頑張って完結に向かいたいと思います…!本当にありがとうございます!! (2020年8月21日 17時) (レス) id: d6a7ece567 (このIDを非表示/違反報告)
夜透田 流(プロフ) - ゆっくり四つ葉さん» コメントありがとうございます!!そうなんです!小説のそのシーンを書いてからアトラクライトの存在を知ったので実は無意識で似たセリフを出していたみたいなんです…アトラクライトめちゃくちゃ鬼滅とピッタリですよね…! (2020年8月21日 17時) (レス) id: d6a7ece567 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくり四つ葉 - アトラクトライトの歌詞入ってる!オァァァ!!ぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁ!!…すいません。はい。素晴らしい作品をありがとうございます! (2020年8月21日 17時) (レス) id: 135b7cf6d1 (このIDを非表示/違反報告)
夜透田 流(プロフ) - 霞さん» 伊黒さんの心中が複雑すぎるのも考えものですね…解説付けたので良かったら読んでみてください〜 (2019年11月22日 9時) (レス) id: 787493054e (このIDを非表示/違反報告)
霞 - 伊黒さんいつからなんだ…蜜璃ちゃんより夢主がいいのかそうだろう夢主健気すぎてもういい子すぎだからな…!夢主の方が正しかった許された(?)から好きとかじゃないよな…努力云々はいなくなってから気付いたはずなのに結局最近まで嫌ってたんだし…? (2019年11月21日 23時) (レス) id: ce151a9693 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夜透田 流 | 作成日時:2019年11月7日 17時