第七十六話 冒頭への道 ページ34
胡蝶しのぶside
『それでは、今一度事件の内容を説明させて頂きます。先日お話したことは省き、掻い摘んでお話致しますが、まぁ、頭のキレる皆様ならご理解できるかと思います。少々長くなりますが、お付き合い下さいませ。』
しゃん、と背筋を伸ばし、彼女は私たちへと向き直る。綺麗な所作で地図を並べ、そうしてやっと、その口を開いた。
『事の発端は、あの女____光条雪が鬼となった事でしょう。何故鬼となったのか、時期はいつなのかは定かではありませんが、少なくとも私が乙になる頃までは彼女は普通でした。鬼となったのはその後でしょう。』
伊黒「何故そう思う。」
『私たちは師を共にした姉妹です。定期的に会っていましたし、先に鬼殺隊へと入隊した私は、師範の元へと度々訪れていたんです。姉と妹と一緒に。』
度々会っていたからだろう、彼女は光条雪の異変に気付くことは出来なかった。大きな変化では無かったのだろう。彼女が言うに、歴史を遡れば、鬼の特性を抑える薬はその時には既にあったらしい。ならば、光条さんはその薬を服用していたと考えられるし、それならば誰も気付くことできなかった。
『それから、彼女は鬼舞辻無惨からお館様のお命を頂戴しろとの命を受けたのでしょう。その際、一番邪魔になるのは柱。もっと言えば、姉妹関係を持っていた私だったのでしょうね。彼女は私を鬼殺隊から追い出し、あわよくば死んでしまえばいい、と思っていたのだと思います。そうして、私は彼女の思惑通り、鬼殺隊から去ることとなった。』
産屋敷「その後、Aは鬼殺隊での経験を活かして特高警察になったんだよね。」
『はい、その通りでございます。』
彼女が特高警察にて幹部となるまでには、ほんの数年しかかからなかったらしいが、その数年が命取りとなったのだろう。
その数年の間に、光条さんは鬼舞辻無惨の血で力をつけ、お兄様の明智元幹部殿は、更なる薬の開発に勤しんだ。よって、鬼へとなる得る確率の上がった薬が開発され、事件は冒頭へと戻るのだ。
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夜透田 流(プロフ) - ゆっくり四つ葉さん» これからちょこちょことしか更新できなさそうなのですが、頑張って完結に向かいたいと思います…!本当にありがとうございます!! (2020年8月21日 17時) (レス) id: d6a7ece567 (このIDを非表示/違反報告)
夜透田 流(プロフ) - ゆっくり四つ葉さん» コメントありがとうございます!!そうなんです!小説のそのシーンを書いてからアトラクライトの存在を知ったので実は無意識で似たセリフを出していたみたいなんです…アトラクライトめちゃくちゃ鬼滅とピッタリですよね…! (2020年8月21日 17時) (レス) id: d6a7ece567 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくり四つ葉 - アトラクトライトの歌詞入ってる!オァァァ!!ぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁ!!…すいません。はい。素晴らしい作品をありがとうございます! (2020年8月21日 17時) (レス) id: 135b7cf6d1 (このIDを非表示/違反報告)
夜透田 流(プロフ) - 霞さん» 伊黒さんの心中が複雑すぎるのも考えものですね…解説付けたので良かったら読んでみてください〜 (2019年11月22日 9時) (レス) id: 787493054e (このIDを非表示/違反報告)
霞 - 伊黒さんいつからなんだ…蜜璃ちゃんより夢主がいいのかそうだろう夢主健気すぎてもういい子すぎだからな…!夢主の方が正しかった許された(?)から好きとかじゃないよな…努力云々はいなくなってから気付いたはずなのに結局最近まで嫌ってたんだし…? (2019年11月21日 23時) (レス) id: ce151a9693 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜透田 流 | 作成日時:2019年11月7日 17時