KZの原点 ページ2
新学期が始まって一日目
窓側の列の最後の席、最も落ち着く場所だ
そこで私は、昨日借りた本を読もうとしていた
最初の手書きの文で、自分が好きそうなジャンルだと思い、借りたのだ
だけど、何となく家では読みたくなかった
家は嫌いだ
帰ったら、おかえりと言ってくれる人がいないから
家は嫌いだ
温かいご飯を、自分で作らなくてはいけないから
家は嫌いだ
誰も、いないから
分厚い本を机に置き、目次のページをめくった
かなり沢山の章があり、全部見るのは時間がかかる
どういう順番で読もうかと悩んだが、シンプルに最初から読み始めた
最初は『消えた自転車は知っている』というタイトルだった
そのページまでめくり、読み始めた
『どこにでも、目立つ集団というのはあるのだろう
彼らが通れば黄色い歓声は飛び交い
彼らが笑みを零すと、体温が一気に上昇し
彼らが話しかけると、まともな思考ができなくなる
そんな存在が、私の身近で一つだけ存在する
その名は…』
「KZ…か」
KZ、というものは、秀明という塾が作ったサッカーチームで、成績だけではなく、体力をも兼ね備えた子供を作ろう、という理由で発足されたらしい
小中高生の男子は、成績が優秀な場合は入る事ができる
かなり楽しそうだが、この物語の主人公は、あまりKZと関わりを持ちたくないらしい
いや、憧れはあるが、目立ちたくない、という所だろうか?
まぁ見ていこうと思いながら、続きの文に目を通そうとした時、後ろから肩を叩かれた
反射的に後ろを振り向くと、見慣れた顔が立っていた
「…どうしたの?陽介」
「ちょっと聞きたい事があってな
紗夜花。お前数学得意だろ?ちょっとココわかんなくてな…」
「あぁ…こういう問題は、ここにこの式を入れたらできるよ。」
「あー!言われたらわかった…くっそ悔しい!」
「陽介は早く問題を解こうとしすぎて、式を短縮しすぎてるからわかんなくてなるのよ
早く簡単に正確に、なんて言うけど、早くやりすぎて正確じゃなかったり、簡単な式にしすぎて問題の意味が分からなかったり…
数学は正確だったらいいのよ
正確にやってたら、早く答えにたどり着けるようになるし、簡単な式を組み立てる事も出来るようになるからね」
「なるほどなー
お前、本当に頭いいな」
そう言って感心する彼の名は、倉橋陽介
私の幼馴染だ
ついでに私の名は、染谷紗夜花と言う
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月兎 - kazさん» ありがとうこざいます。私はいつも、自分がどんな作品があったら面白いかと思って話を作っています。技術的な面でしたら、あまり文末表現が同じにならないように注意しています。 (2019年4月14日 22時) (レス) id: bc3aac3492 (このIDを非表示/違反報告)
kaz - 良かったです。私も作品を作ろうと思っています。やり方を教えてください。 (2019年4月14日 13時) (レス) id: 02c88d0728 (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - 紺さん» まだまだ未熟ですが、これからも頑張ります!ありがとうこざいます! (2019年4月14日 10時) (レス) id: bc3aac3492 (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - 愛さん» この話は、簡単に言えばアーヤ達の時系列から何年か後の物語です。ですが、若武達もきちんと物語に参戦するシナリオを考えているので、公式キャラもきちんと出ます。 (2019年4月14日 9時) (レス) id: bc3aac3492 (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - 結愛さん» そう言って頂けると元気が出ます!これからもよろしくお願いします! (2019年4月14日 9時) (レス) id: bc3aac3492 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月兎 | 作成日時:2019年4月7日 19時