準備ＯＫ！ ページ10
偽名が決まらないまま朝の学活が始まってしまった
「今日からAさんの家庭教師が、教室にいる事になったぞ、自己紹介をしてもらおう」
先生が簡潔に要点を述べた
「アーロと申します。よろしくお願いします」
母さんの時と同じでさわやかな感じで自己紹介をするスクアーロに
「ちょっと！滅茶苦茶イケメン！」
「男のオレでも惚れそうだ…」
男女関係なく、早速みんなのハートをつかんだ
問題は…
「…世話になる」
多分これが精いっぱいの愛想だ。多分…
「こっちもイケメン！」
「声も低くてカッコイイ！」
でも女子からは絶大な人気だった
「…これ、名前決める必要ないかも」
「そんなわけねえだろ」
必要ないかもよーって言ったら即却下された
にしても…
「二人共、後ろで授業の様子を眺めるとかじゃダメなの？」
何で私の隣に椅子を置いて座るの？
嬉しいけどさ！二人に挟まれてこれ以上ないくらい嬉しい…けど痛いんだよ！
周りの視線(特に女子の嫉妬の視線)が
「Aがちゃんと勉強しているか見張ってるんですよ」
余計集中できないしスクアーロの敬語って滅茶苦茶レアだから内容が入ってこない
悶々としてたら、うっかり消しゴムを落としてしまった
「しまった…よっ」
面倒だから座ったまま手を伸ばす
届きそうで届かない
「よっ…あっ！」
バランスを崩して転倒してしまった
「…ッ」
目をつむった…けど覚悟していた衝撃はやってこない
目を開けてみると
「あぶなかっしいぞ、A」
ザンザスが私の体を支えていた
この瞬間私は思い出した。昔アニメで見た誇り高い主人公の名前、確か…
「ヴィンチトーレ」
「あ？」
「偽名、ヴィンチトーレなんてどうかな」
「いい名前だと思いますよ。イタリア語で勝者を意味しますし」
「いい意味じゃん！これでいい？」
「…悪くねえが、長え」
「え！？」
そんな！これも没なの！？
「ヴィンチでいい」
「全否定しないという事は、よほど気に入ったのですね」
「うるせえぞ、カス鮫。それにさっきからその口調ヤメロ鬱陶しいぞ」
「こいつの母親の前でこの口調で話して、学校で素だったらいつかバレちまうだろうがっ」(小声)
「ハハハ…まあ何にしても、これで本格的に家庭教師になって貰える」
準備は整った
「フン」
「音を上げても厳しくしますからね」
「上げないよ！」
二人に教えてもらいたいって私が願ったんだから
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吉田 夕陽(プロフ) - めっちゃええ作品ですね！もう、なんか、世界観に入り浸って想像しながら読んでいると、ニヤニヤが止まりませんでした！神作ありがとうございます！！ (5月28日 21時) (
レス) @page34 id: ab26c36e5b (このIDを非表示/違反報告)
風来坊(プロフ) - ゆうさん！ありがとうございます！そう言ってもらえて、とても嬉しいです (2019年12月22日 8時) (レス) id: 2959e30a52 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - えー！めっちゃいい作品じゃないですか！泣きました (2019年12月20日 21時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
風来坊(プロフ) - ログインできました！よかったらコメントお願いします (2019年11月21日 19時) (レス) id: 2959e30a52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風来坊 | 作成日時：2019年11月14日 17時
