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NoSide
立ち上がる気力も無くなってしまった。
この場に似合う言葉があるとするならば、それは多分無気力な言葉だろう。
小柄な男は、包帯男に頭脳戦で負けたのだ。
「もうひと仕事あるよ。
鎖を壊したのは君だ。私がこのまま逃げたら、君が逃亡幇助の疑いをかけられるよ?」
包帯男、太宰を睨む。
当の本人は物凄い良い笑顔で、ある提案をした。
「君が言う事を聞くなら、探偵社の誰かが助けに来た風に偽装してもいい」
「······それを信じろってのか」
「私はこういう取引では嘘をつかない。知ってると思うけど」
なんとも言えない提案に、低身長男はため息をこれでもかと吐き出す。
そして、諦めた様に口を開く。
「人虎がどうとかの話なら、芥川が仕切ってた。奴は二階の通信保管所に記録を残してる筈だ」
「あ、そう。予想はついてたけどね」
「用済ませて消えろカス」
太宰への多少の嫌味を込めて、外套を羽織る。
そして階段の方へ向かう。
階段を上りきる前に、小柄男は立ち止まった。
何だろうと思った太宰へと振り返る。
「言っておくがな、太宰。これで終わると思うなよ、二度目はねぇぞ」
流石はマフィア。殺気に加え、台詞までも格好がついている。
だがしかしこの問題児、太宰はそれを納得しない。
「違う違う。何か忘れてない?」
仏像のように固まってしまった低身長男。
星の様に目を輝かせ期待する太宰。
さて、何が起こる?
·
「二度目はなくってよ!」
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清流* - 皆さんのコメント待ってます! (4月9日 20時) (レス) id: 5fc0f92393 (このIDを非表示/違反報告)
清流* - ゆいたろー!さん» めっちゃわかる((( (2月6日 17時) (レス) id: 5fc0f92393 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいたろー!(プロフ) - 太宰さんに消えろって言われたい))) (2月5日 20時) (レス) @page42 id: 09168e2c17 (このIDを非表示/違反報告)
清流* - ゆいたろー!さん» ありがとうございます!! (2月5日 18時) (レス) id: 5fc0f92393 (このIDを非表示/違反報告)
清流* - ありがとうございます!! (2月4日 7時) (レス) id: 5fc0f92393 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:清流* | 作成日時:2024年1月14日 8時