続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ２２ 】

久利生の本題 ページ19

■■ 一樹・side ■■

三ツ星は、タクシーが見えなくなるまで手を振っていた。


「久利生さんってさ… 良い人だよな」
みつが三ツ星の背中を見つめながら言った。

「… 俺らに近いんだよ、考え方がさ」
玉も頷きながら言った。


ん？みつ？どこ見て… ？


赤い… ？


あ、これは… アレだな。


「… 拭け、すげぇ… から」
白い肌だから…

「え？何？」
綾瀬のリップ…


左頬に… わかるほど付いていた。

気づいた玉は、慌てて服で拭いていた。


「いちゃいちゃし過ぎ… ロビーに入ってく人たち恥ずかしそうにしてた」
だよな… あんな所でいちゃつけば嫌でも目に入る。

「あはは… 世界に入っちゃうとわかんなくて… いや〜照れるな！！」
呑気だ…


まぁ、コイツらしいけどな。


「さて、太輔の所へ戻るか」
ゾロゾロと移動。

「久利生さんは いつ帰るのかな？」
ん？


さぁ？


「和は、明日の便で帰るよ」
え…

「電話がひっきりなしで… さすがに限界らしい」
竜おじさんは切なそうに三ツ星を見つめた。


スマホ片手に、強きで流暢に話すフランス語。

身振り手振り大袈裟なアクション…


大変そうだな…


「はぁ… でも、これでよし！！」
あ、終わったみたいだな…

「ん？何？」
何事もなかった顔して…


本当に良い奴だよな… コイツ。


「明日 帰るんだな… 淋しくなるよ」
皆が頷いた。

「… ありがと、そんなこと言ってもらえて嬉しいよ」
爽やかに笑った。


しんみりとしたエレベーターは７階に到着。

それぞれ２人の部屋に入ってく…

みつは、竜おじさんたちとAの病室へ。

でも、なぜか久利生は 太輔の病室にきた。


「ただいま〜♪」

「おかえりなさ〜い！！」


大学生の元気な声が出迎えた。


「一樹さんたちも帰ってきたし！じゃあ、行こうか！！」
入れ違いで帰ることになった学生たち。

「じゃあ、ガヤ明日な！！３時間だぞ！！」
３時間か…


何とかなればいいな…


「おう！じゃあ頼む！！」
太輔が返事をすると学生たちは教授と共に出て行った。


急に静かになった病室。


ガタン。


「じゃあ、本題にいこうか」
？？


太輔の前に座った久利生。


「本題って？」
さぁ？


俺と玉は黙ったまま２人を見つめた。


「藤」


シーン…


「俺、明日 帰る」
太輔の瞳が大きくなった。


「俺が帰るまでに説得しろ」


説得？


「出来ない場合は この話は無しだ」


太輔は、真剣な顔で頷いた。

早急の説得→←ありがと…元気で

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