続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ２２ 】

キレイキレイあるよ！ ページ2

■■ 一樹・side ■■

まったくコイツラは…


同じ顔して… 笑えるわ。


「俺はお前らの兄ちゃんだからさ」
早瀬のおでこを突いた。


さらにつんつん。なでなでぽんぽん。


「デカくなったって、俺はお前らの兄貴だよ」

「３人で来いよ」


早瀬は俺の手を払うことなく、下を向き頷いた。


くすっ。コイツも太輔も可愛いよな。


「あれ？早にぃ？一樹？」
ん？


バシッ！！


「いって！！」
急に手をはたかれた。


そして、慌てて 俺から少し離れた。


「パパ〜！！」
おわっ！！


凛斗が俺に飛びついた。


「どしたの〜？」
はたいた奴を見た。

「な、なんでもない！」
なんでもないって…


真っ赤な顔で… 照れてんじゃねぇよ…

撫でられたことが よほど恥ずかしかったのか 慌てて Aの病室に入って行った。


「なんなの… ？」
廉耶とみつが首を傾げた。

「まぁ、ほっとけ… それより何してたんだ？A戻ってきたのか？」
早が入って行ったってことは 戻ってきたみたいだが…


２人が『さぁ？』みたいな感じで首を傾げた。


「あのね！柚菜ちゃ ん、ないたの！」
え？

「あ〜… ちょっと… なぁ？」
泣いた？


廉耶とみつが数分前にあった出来事を俺に話した。

気の強いお嬢様が帰ってしまったと…


「罪悪感か… わからんでもない」
みつが凛斗を抱きながら言った。

「ざいあくかん？なぁにそれ？？」
この言葉を説明するのは難しい。

「弱虫オバケの仲間。柚菜にくっついてるみたいなんだ」
凛斗の顔がムンクになった。


罪悪感…


後悔…


こればかりは、自分の力で乗り切らないといけない。


「でさ、俺ら 明日 様子を見に行こうと思う」
そうか…


「ん、そうだな… 頼む… 」

「ぼくもいく」


へっ？？


「え… ？凛斗も？」
なんで？？

「きれきれ！あるよ！」
は？


きれきれ… ？？


「え？え？… ほ、本当か？」
みつが急に慌て始めた。

「きれきれ？？何？？」
息子の言ってることが分からず みつに聞いた。


みつが苦笑い…

廉耶も…


「あー… きれきれって言うのは、たぶん… キレイキレイ、つまり漢字の『綺麗綺麗』のこと」
ほう… で？

「で… 『あるよ』って言うのは… その… 」
ん？


みつ？？


みつが凛斗の前に座った。


「本当にある？」
頷く凛斗。


「おほしさま あるよ」


みつは凛斗を撫でると嬉しそうに笑った。

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