Lv.12▼.名付け ページ14
一体どれほどの時間、ここで座り込んでいるのだろう。
偶にシオンちゃんの髪を撫でる。
サラリと零れ落ちた髪を綺麗に整えて、頬を撫で。
そんな単調な動きの繰り返し。
外に意識を向けたいとは思えなかった。
風の音も、自然に聞こえてくる音も、心地いいはずの音が全て雑音に思えて。
何の役に立つのかと思っていた、前世で最後に手に入れたユニークスキル『
私の周囲の音が全て消え失せて。
初めて本当の意味で心が落ち着いたように思う。
何も音がしない、聞こえない。
撫でたシオンちゃんの心音が聞こえないのも、呼吸音が聞こえないのも、
誤魔化されていて、心地いい。
音が遮蔽されているからだと、そう思い込める。
そんなことを考えていたからか、時間の経過を忘れていたからか、
後ろから近づく気配に、今の今まで気づかなかった。
直ぐにスキルを解除して、後ろを見る。
ただ、美しい姿。
その大きな瞳に光はなく、目の前の光景をただ呆然と眺めていた。
｢ゴブゾウ＿＿ッ!?｣
声が聞こえた。
ゴブタか。緩りと認識した。
｢まだ、居たのか。｣
ベニマル君の声。
『えぇ。……もう、退きますね。
お邪魔を致しました、リムル様。』
控えめにそう言って、その場を離れようとする。
｢待て、｣
その一言に、身体は止まる。
リムル様から出た声だった。
その場に跪く。次の言葉を待つ。
｢お前は、誰だ?｣
『……リムル様にお仕えしたく馳せ参じました｡
名も無きしがないスライムです。』
｢…………そうか。｣
『では､私はこれで失礼します｡』
立ち上がり、深く頭を下げ、今度こそ離れようとする。
｢まだだ、｣
再度掛けられた声。
『はい、』
もう一度跪く。
｢お前に、名前をやる。｣
何の話かと思った。
『私に、名を、ですか。』
｢嗚呼。｣
……ベルゼブブ。
今リムル様が私に名をつけたらどうなる？
《告｡
その時に原作へ与える影響は?
《解。未知数です。》
名付けへの魔素の提供は？
《告。可能です》
『でしたら、私がリムル様にお渡しする魔素をお使いください。
今､リムル様が魔素不足になられては、配下の方々が困惑されてしまいます。』
｢嗚呼､わかった。｣
その声に従い、私からリムル様へ、限界量の魔素を渡す。
｢……今日からお前の名は､Aだ。｣
Lv.13▼.溢れるチカラ、自己嫌悪。→←Lv.11▼.紫苑。
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諒輔 - 更新してー (1月1日 10時) (
レス) @page27 id: e900712ad7 (このIDを非表示/違反報告)
紅白の巫女 - 面白すぎる！続きいいい (11月8日 18時) (レス) @page27 id: ecef28fcbd (このIDを非表示/違反報告)
おもろー - さいこーーーーーー！！！ (11月5日 21時) (レス) @page27 id: e900712ad7 (このIDを非表示/違反報告)
珠梨(プロフ) - 細石さん» ディアブロカウントダウン！ (9月30日 12時) (レス) @page27 id: ac62a72ef1 (このIDを非表示/違反報告)
マロン - 初めまして。一気に読みましたので感想を。…………面白すぎだろッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!((失礼いたしました。とても面白い作品ありがとうございます。これからもどうか頑張ってください。 (2022年12月11日 18時) (レス) @page21 id: 24bba1a895 (このIDを非表示/違反報告)
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