最前のあの子 【センラ】

じゅーなな。 ページ17

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｢ありがとうございましたー！！｣






スポットライトで照らされる汗がとてもキラキラしてみえた






ああ、もう終わってしまったんだ…






最後のファンサタイム







私から見て上手側から一人ひとり丁寧にお手振りしていったり、ポーズを真似したり





｢ありがとう〜｣




｢ありがとねー？｣




｢唇ってなんやねん！｣






感謝の気持ち伝えたり、目にとまったものに突っ込んだり







真似された子は飛び跳ねるように喜んでて









私の好きな人はこんなにも慕われて色んな人に愛されるんだなって思った





真ん中は飛ばして下手側に向かう







その時勘違いかもしれないけど目が合った








1個1個の行動が胸を締付ける







最後に真ん中







2階席も1階の奥も丁寧に見渡してるのがわかる








離れたくないずっと一緒にいたいっていうどうする事も出来ない気持ちが溢れて涙する






せっかく決めてきたメイクもぐちゃぐちゃだ








こんなの見られたくないけど目も逸らしたくないそんな我儘ばかり考える







泣きながらペンラを大人しく振ってたら








センラさんが私の目を見つめてにっこり微笑み








｢お姉さんずっと泣いてるやん、可愛い顔が台無しやで？今日楽しかったですか？｣






って言ってくれた






楽しかったよ、当たり前じゃん




なんて口にできたらいいけど、生憎そんなに余裕はないから頭取れそうな勢いで頷く






そしたらふふって笑ってくれた





最後にマイクを通さずにお礼を言ってみんなの完成に包まれながら履けていった





いろいろありすぎて気持ちの整理ができないまま

ふらふらと外に向かう



ホテルに行く前にカフェにでも行って頭を冷やそう



なんて考えながら歩いていった








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