REWIND DAYSｰ夏の悲劇は終わらないｰ (ページ10)

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daze #10 -No.7side ページ10

……朝を迎えてしまった
結局安眠できずにごろごろと寝返りを打ち
夜中に何度も起きながらも
途切れ途切れであるが寝れた

まだ時刻は4時すぎ
ニートの俺にとっては早い、早すぎる

寝てしまおうと目を瞑り意識を手放そうと試みるがあえなく失敗
残念ながらもう目が冴えてしまった

いつもよりクマがくっきりとでているであろう目を擦り俺はゆっくりと起き上がる
大して寝てもいないのに寝汗がべっとりと体中にまとわりつき気持ちが悪い

他の奴らは未だに熟睡している
なぜこんなに寝ることができるのだろうか
ぜひそのスキルを分けてもらいたい

……と言うよりは喉がカラカラだ。
台所に行って水をもらうか

周りを起こさぬように扉を開け台所があるであろう場所に向かう
クーラーが効いているのかひんやりとした廊下が裸足の足に伝って心地がいい

台所の扉が見えてきた……

｢おい｣

｢うわぁぁぁぁぁあ！？｣

｢うるせぇな！｣

突如後ろから聴こえた声に飛び跳ねる
声をかけた相手は機嫌が悪そうに俺を見下ろした

あぁ、クロハか
ってかなんで起きてんだ早起きなのか？

｢な、何でここにいるんだよ…｣

｢あ？いちゃ悪いかよ？てかお前が部屋を出る音で起きたんだよ｣

静かに出たはずなんだがな…
まぁ起こしてしまったのには変わりない

｢てかお前こそなんで台所なんて行こうとしてんだ？｣

｢水をもらおうと…だな｣

答えるとクロハは興味無さそうにふーん？といいスタスタとリビングへ向かった
聞いといて素っ気ないな、はぁ

…というか水だ水カラカラだ

ガチャと扉をあけ台所に入る
適当に棚からコップを拝借し水を入れ、それを喉に流し込む
じわじわと喉が潤っていく

悶々としていた頭がだんだん冴えてくる
今日は8月16日作戦は明日

作戦は昨晩丹精こめて練ったからある程度は安心できる

生きてることには、代わりないから
命の大事さはカゲロウデイズ事件からよく分かった

潰れていい命なんてない

動かす蛇だろうと、クロハだろうと
自分が潰れないための対策の方向性が違う方向に行ってしまっただけなのだ

俺はそう信じてる
だから、誰も傷つかない未来にしたい

あいつ…アヤノが俺に教えてくれたものの一つだ
消えていい者なんて居ない

消えたくないのは誰だってそうだ
たとえ消えたがっても消えて欲しくないと言ってくれる人が必ず居るから

……あぁ、考えすぎた
でも今ならなんだか眠れそうだ

俺は再び眠りにつくために寝室に戻った