【文豪ストレイドッグス】suddenly kiss【短編集】

福沢 諭吉 ページ5

「社長！終わりました」

「ご苦労」

えへへと嬉しそうに部屋に入ってくるA。

今日は乱歩とのコンビだったか。

「乱歩の分の報告書は？」

「書いておきましたよー。太宰先輩のより楽です」

ご丁寧にも机の上に広げて見せる。

…………Aはいつもびっしり書き込んでくるな。

此方が読むのを躊躇うほど多くの事を書き連ねる。

「…………じゃあ久々に褒美をやろうか」

「ぃよっしゃあ！ラッキー！頑張った甲斐がありましたよ！」

鼻歌交じりにAが来客用のソファへと向かう。

「あ、今日は私が膝枕したいです…………駄目ですか？」

かくんと首をかしげ問うてくる。

あぁ、人形のようで可愛らしい。

「かまわんが…………それで褒美になるか？」

私にとっては思ってもない褒美だが。

「えぇ！そういう気分なんです！」

ささっ！とワンピースから伸びる、揃えられた白い太ももを示され、私は素直に頭を委ねた。

柔らかい感触。

「…………少し太ったか？」

「言わないでくださいよー！」

すまん、と手を伸ばしてAの頭を撫でる。

むぅと尖らせた唇を見て、笑みが浮かび、

「来い」

そのままAの頭を引き寄せた。

唇が重なる。

すぐに手を離したため、Aもぱっと身を起こした。

赤面し、口元を手で隠しながら言うには、

「社長ぉ…………ずるいです…………！」

「じゃあAからも」

Aは数瞬躊躇いを見せたが、思いきったように此方に覆い被さってきた。




「もっと色んな表情を見せろ」

「今夜は共に過ごしてくれるのだろう…………？」

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福沢「評価？その前に触れさせろ」

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