綾辻 行人 vs 京極 夏彦 ページ32
「仕事には行かんのか、仕事には」
「只の幽霊のくせに煩いな。消してもらうぞ」
恐らく普通の人には、綾辻先生が一人で虚空に向かって怒鳴っているようにしか見えないだろう。
だが、実際には、着崩した和服の男性が彼の側にいて、苛々を募らせる綾辻先生を面白がっている。
「今日も仲良く喧嘩ですか」
ため息とともに私は珈琲をもって台所を出る。
お手伝いとして此処に雇われて以降、この二人の喧嘩が絶えたところを見ない。
「喧嘩というほどのものじゃ無い。この爺が一方的に言ってくるだけだ」
「それに突っかかってくるのはお前さんじゃろう」
ククク、京極さんが笑う。
……あーあ。また、先生が怒る。
「私には迷惑かけないでくださいよー」
綾辻先生の前に珈琲を置いて、昼食の用意でもしようかと踵を返した瞬間、嫌な予感がした。
ぎこちなく振り返ると、二人して同じような笑みを浮かべていて。
「な、なんです?」
「綾辻、この娘がおったな」
「あぁ、立派な第三者だ」
何を言っているかと首を傾げる前に、私の前に京極さんが立ち塞がった。
そして唇に訪れる柔らかい感触。
……?……!?
「おい、長いぞ」
綾辻先生が京極さんを私から引き剥がして放り捨て、
「んっ……」
強引に私の唇を奪った。
突然の展開に私の頭は混乱するばかりで。
……でも幸せなのかも、とか。
「おい、俺のほうが良かったよな?」
「若いだけじゃ勝てないものもあるじゃろ」
*********
京極「お願ーい。星くれんかのぉ」
綾辻「可愛くない」
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青鯖ぷりん - 久ちゃぁぁん…高評価するぅぅ‥! (10月17日 21時) (レス) @page11 id: 496914e067 (このIDを非表示/違反報告)
琴音 - だざいさぁぁんさいこぉ! (10月8日 6時) (レス) @page5 id: dfae0f9c2a (このIDを非表示/違反報告)
ゆかりん - フランシスさんすこ (9月15日 22時) (レス) @page23 id: 5c0b36b6f1 (このIDを非表示/違反報告)
猫助 - 最高です! (8月16日 23時) (レス) @page4 id: 0088b760fa (このIDを非表示/違反報告)
千羽鶴 - 梶井さーん!ドSなとこも好き!違うバージョン梶井さんも見たい (6月18日 23時) (レス) @page15 id: ecb3ef0346 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久田 螺々亜 | 作成日時:2016年4月8日 21時