【文豪ストレイドッグス】suddenly kiss【短編集】

泉 鏡花 ページ33

「鏡花ちゃーん」

……乱歩さん。

ちょいちょいと手招きする彼の側に行くと、駄菓子が入った篭を渡された。

「？」

「Aに持っていってくれる？買ってきてくれたやつなんだけど、コレ、僕嫌いなんだよねー」

「わかっ……りました」

敬語というのは難しい。

幾分機嫌が良い乱歩さんに小さく頭を下げて、今度はAの机へと向かう。

「……A」

「……何、鏡花……」

「まだ、おねむ？」

もう昼過ぎだというのに、Aは机に突っ伏して寝ていた。

……最近忙しい。

周りを見れば、けっこう昼寝モードに入っている人たちがたくさんいる。

「ちょ、それ何」

視線を戻すと、乱歩さんの篭を覗きこんで驚くA。

「コレ、私が買ってきたやつじゃーん」

「嫌いなやつだったって」

マジかよ……と再び机に突っ伏す。

「でも、私は好きだから、一緒に食べよ？」

「えー」

ごねだしたAに少しカチンときた。

Aを上向かせ、顔を近づける。





「私の我が儘も聞いてほしい……」

「そうしないとAを食べちゃうよ……？」

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

鏡花「星はたくさんあるだけ美しい……」

パサッ(カンペが落ちる音)

乱歩「落としちゃ駄目だよ！」

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