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強者 ページ27

「お腹ががら空きだよ」

言いつつAちゃんの腹部目掛けて蹴りを食わせる。

女の子といえど中也の部下だ。身体のほうも頑丈につくらされたに違いない。

そう思って手加減はしなかった。

体重が軽いAちゃんはよく飛んだけれども、直ぐに『鉛夜叉』が姿勢を立て直した。

「うわぁ」

…………吹っ飛ばされてからの宙返り着地とはね…………!

この動作には周りの黒服達も驚きを隠せないようだ。

いつの間にかナイフの数を四に増やしていたAちゃんは、部下に下がるように言った。

「太宰さん、私、痛みには慣れてないんですよ」

だから、

「痛みを与えてくだすった方には『報復報復報復報復報復』」

えははははは、と高笑いが響いた。

直後。

ヒュンという風切り音を立てて飛んできたナイフは明らかに私の心臓を狙ってきていた。

辛うじて回避したが、次避けられるかは保証できなさそうだ。

「『さあさあ皆さんお立ち合い。見やるは此方の軽業師。我がナイフを華麗に避けていただきやしょう』ほぉれ」

上後ろの『鉛夜叉』からナイフを受け取っては高速で此方に投じてくる。

…………異能無くても幹部クラスじゃないかな…………!?

紛うことなく急所を目掛けているが、手首のスナップだけでそれが出来るとは恐ろしい。

「中也、君って人は…………!」

「中原さんはかんけーないですよう。私が強くなりたいと思ったから。それだけです」

「何の為に…………!?」

避けるのだけでも精一杯で攻撃ができない。

否、攻撃以前に近付くことができないのだ。

既に私の背後の壁に刺さっているナイフは五十は超えていた。

「貴方の為ですよ、太宰さん」

ピタリと攻撃が止んだ。

「貴方は強者しか求めない。強者になれば認めてくれる。そう信じて鍛練したんです」

「な…………!」

…………私が、理由?

訝しげな表情をどう捉えたのか、Aちゃんはため息をついた。

「私がまだ強者たりえないと言うのならば、もっと上を目指しましょう。もっと殺 しましょう」


「『貴方を黄泉の国へ誘いましょう』」 「(これ以上戦わせないで)」

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ワンコンコン - 面白いダス (2019年7月21日 0時) (レス) id: ad92a05ced (このIDを非表示/違反報告)
きみぺ - すごく面白いです!!!更新頑張って下さい!!!めっちゃ応援してます(≧∇≦) (2016年8月8日 21時) (レス) id: f3497d4bfc (このIDを非表示/違反報告)
うちを - 太宰さん!太宰さんお願い致します!何とぞよろしくお願い申し上げますっ! (2016年6月12日 22時) (レス) id: 67f1d4205b (このIDを非表示/違反報告)
久田 螺々亜(プロフ) - 真衣さん» コメントありがとうございます。わ、わかりました……!ご期待を沿えるよう努力致します! (2016年6月1日 23時) (レス) id: a7a03e9879 (このIDを非表示/違反報告)
真衣(プロフ) - 中也オチを頼みます。 (2016年6月1日 20時) (レス) id: f1da17ec5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:久田 螺々亜 | 作成日時:2015年6月27日 21時

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