想い人 ページ23
輸送船の手配も済ませて本部に戻ると、すぐに中原さんに出くわした。
「うげ、お疲れ様です」
「最初の２文字は一体何だよ」
「新しい挨拶だと思ってもらえれば」
言うなりパシンと凄い勢いで頭を叩かれた。
「いったぁ…………！」
「太宰がいるぞ」
さりげなく言われたその言葉に体が固まった。
私から背を向けた中原さんの表情は見えない。
「さっき会ったばっかだ。通信保管所にいると思うぜ」
「…………！」
反射的に走り出していた。
通信保管所は２階。
エレベーターで行くよりも階段のほうが早い。
「と」
一段目に足をかける直前で振り返る。
「中原さん！ありがとうございます！」
中原さんは無言で本部の外に出ていった。
「あぁ、クソ」
中原は、外の冷たい空気を浴びて身を震わせた。
…………Aのあンな顔、見たことない。
四年だ。
四年間も時を同じにしたというのに、彼女は一度も隙を見せなかった。
だのに。
「なんで太宰の名前で崩れやがる…………」
悔しいという思い共に、太宰には敵わないという思いもある。
…………俺の思いには気づきもしてねぇんだろうな。
「…………くっそ」
いっそのこと素直に伝えてみようか。
否、柄でもない。
俺は今まで通りAの上司として過ごして、
「いつかは別れがくるよな」
こんな職業だ。いつ死が訪れてもおかしくない。
それは何十年後かもしれないし、何秒後かもしれない。
Aと離れたくない、生かしたいと思うならば、
…………マフィアから抜けさせるしかねぇ。
確かにこの四年でAは強くなった。
『黒蜥蜴』入りも一部では囁かれていたぐらいだ。
俺の心配することじゃないんだろうが。
…………好きな女のことはやっぱりどうしても気になる。
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ワンコンコン - 面白いダス (2019年7月21日 0時) (
レス) id: ad92a05ced (このIDを非表示/違反報告)
きみぺ - すごく面白いです！！！更新頑張って下さい！！！めっちゃ応援してます（≧∇≦） (2016年8月8日 21時) (レス) id: f3497d4bfc (このIDを非表示/違反報告)
うちを - 太宰さん！太宰さんお願い致します！何とぞよろしくお願い申し上げますっ！ (2016年6月12日 22時) (レス) id: 67f1d4205b (このIDを非表示/違反報告)
久田 螺々亜(プロフ) - 真衣さん» コメントありがとうございます。わ、わかりました……！ご期待を沿えるよう努力致します！ (2016年6月1日 23時) (レス) id: a7a03e9879 (このIDを非表示/違反報告)
真衣(プロフ) - 中也オチを頼みます。 (2016年6月1日 20時) (レス) id: f1da17ec5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：久田 螺々亜 | 作成日時：2015年6月27日 21時
