任務 ページ18
相変わらず首領の部屋は暗かった。
ただ、エリスちゃんの金髪だけが眩しく感じる。
「さて、君を呼んだのは他でもない。新しい任務だよ」
1枚の写真を差して言うには、
「芥川君達とは別に、単独で彼の事を追ってほしい。素性などを調べる、という意味でね」
写っているのは1人の青年だった。
白に近い髪に、大きな目。
「彼は…………」
「名を、中島敦。"組合"からの依頼内容は聞いたかね?」
小さく頷くと、首領もどこかほっとしたように頷いた。
「…………しかし、私は諜報班ではないのですが」
「君の容姿と異能ならうってつけだと思ってね」
は?と首を傾げる。
…………私が適任?
首領は笑みを交えて説明してくれた。
「まずその容姿では誰もポートマフィアとは思わないだろう。それに2年間も横浜を離れていたしね。異能も使えるようになったんだろう?」
「はい。身体能力の強化として」
「じゃあ拷問もできるということだ」
そこまでして手に入れなければならない情報があるのだろうか。
中島敦という青年は、見た感じそこまで大層な者に見えないが。
…………しかし組織の利益となるのならば。
「任務承りました。速やかに遂行致します」
一礼し、ドアの取っ手に手をかける。
その時だった。
可愛らしい声が私の足を止めた。
「A」
少し驚きを得て振りかえる。
こちらを眺めていたのはエリスちゃん。
「A、今度遊んでね?」
今までなかったコンタクトに、慌ててしまう。
「は、はい、わかりました…………!」
「ん、嬉しい」
ニコリとエリスちゃんは笑うと、此方に向かって手を振ってきた。
それにまた一礼して、今度こそ、私は部屋を出た。
「エリス。なんでまた彼女に?」
「楽しそうだったから」
早くも金髪の少女の興味は、大机の上の菓子類へと向いていた。
「あの人、闇も光も信じてる」
ふむ、と森は考え込んだ。
…………潮時なのかな。
「エリス」
「ん?」
「Aがいなくなったら、ポートマフィアは寂しくなると思うかい?」
答えはすぐだった。
「うん」
素直で疑いのない答え。
「…………そうかぁ…………」
…………彼女自身は、どの道を選ぶのだろうか。
**********
お久しぶりです久田です。
急展開に次ぐ急展開ですねすみません。
しかも3つも掛け持ちしやがって。
…………ちゃ、ちゃんと完結はさせますよーう。
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ワンコンコン - 面白いダス (2019年7月21日 0時) (レス) id: ad92a05ced (このIDを非表示/違反報告)
きみぺ - すごく面白いです!!!更新頑張って下さい!!!めっちゃ応援してます(≧∇≦) (2016年8月8日 21時) (レス) id: f3497d4bfc (このIDを非表示/違反報告)
うちを - 太宰さん!太宰さんお願い致します!何とぞよろしくお願い申し上げますっ! (2016年6月12日 22時) (レス) id: 67f1d4205b (このIDを非表示/違反報告)
久田 螺々亜(プロフ) - 真衣さん» コメントありがとうございます。わ、わかりました……!ご期待を沿えるよう努力致します! (2016年6月1日 23時) (レス) id: a7a03e9879 (このIDを非表示/違反報告)
真衣(プロフ) - 中也オチを頼みます。 (2016年6月1日 20時) (レス) id: f1da17ec5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久田 螺々亜 | 作成日時:2015年6月27日 21時