鶴が八十人 ページ32
約半年ぶりの本丸、すごく懐かしくて安心感がある
『ごめんね、国永
私重いでしょ？』
「そんなことないぜ！
君は米俵より軽いからな！」
その言葉が本当かは分からないけど、たしかに鶴丸は私のことをまるで赤ん坊のように片手で抱いている
階段を登りきると、玄関からみんなが出てきていた
「よく戻ったな、主」
代表するかのように、三日月が一歩前に出てきてそう言ってくれた
私は笑顔で答えた
『ただいま！
長い間留守にしちゃってごめんね』
本当にみんなには大変な思いをさせたと思う
しかし、それを感じさせないほどに暖かく迎えてくれた
「じゃあ！主が帰ってきたお祝いにパーっとやっちゃおっか！」
「おっ！いいなっ！
うまい酒が飲めそうだ！」
次郎太刀と日本号はそう言いながら本丸の中へ戻って行った
「じゃあ、僕は肴でも作ろうかな」
「それなら手伝うよ！」
燭台切と歌仙は厨の方へ向かって行った
何も言わずに大倶利伽羅と太鼓鐘もついて行った
「天気もいいし、今日はお庭で宴会だね！」
「少し寒い気もするがな」
乱と薬研はほかの短刀達を連れて中庭へ向かって行った
このみんなの感じがすごく懐かしくて、見ていると自然に笑顔になれる
「さて、俺達も行くか
辛くなったら、無理せずに言うんだぞ？」
鶴丸はそう言って額を額に合わせてきた
近い、そして心臓がうるさい
やっぱり、私は鶴丸が大好きなんだな…
顔が赤く火照って隠しようがない
よくよく見ると、鶴丸も顔が赤くなっている
『く、国永！顔赤いよ！大丈夫！？
無理しちゃだめだからねっ！』
私は恥ずかしいのを隠すように慌てて言った
こんなんだと本当に心臓もたないよ
＿＿＿＿
「なぁ、君はあの時どうして接吻をしてくれたんだ？」
縁側に座り一緒にみんなが楽しんでいる様子を眺めていると鶴丸がふとした疑問を投げかけてきた
『…好きだから、かな？』
さっきは照れてテンパっちゃったけど、私に残されてる時間は少ない
なら、素直に生きよう
自分の気持ちをはっきりと伝えられるように
「俺も君のことは好いている
だが…あー、いや…その…」
困らせてしまったみたいで、鶴丸は急にモゴモゴしだした
『こういえば良い？
国永、愛してる』
私は意を決して告白してみた
なんて可愛げのない告白なんだろう(笑)
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夷空斗(プロフ) - 蒼い薔薇さん» コメントありがとうございます！なんとか完結させることが出来ました！この話を読んでいただきありがとうございます！！ (2018年9月29日 19時) (
レス) id: 607aafe4eb (このIDを非表示/違反報告)
蒼い薔薇(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後の展開には、ウルっと涙腺が緩んでしまいました！この小説を読んで鶴丸がもっっと好きになってしまいました。本当に最高の作品でした。 (2018年9月29日 0時) (レス) id: ac233dda56 (このIDを非表示/違反報告)
紗衣(プロフ) - 私もいつもコメントを返していただけて嬉しいです！コメントを通して作品の励みにしていただけて、お話できて良かったです！次作を書かれるのならばすごく楽しみです！こちらこそこの作品に出会わせていただいてありがとうございます！ (2018年9月17日 22時) (レス) id: 7d9698e044 (このIDを非表示/違反報告)
夷空斗(プロフ) - 紗衣さん» 紗衣さん、いつもコメントありがとうございます！本当に励まされました！素晴らしい作品と言っていただき、本当に嬉しいです！！最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます！ (2018年9月17日 22時) (レス) id: 607aafe4eb (このIDを非表示/違反報告)
紗衣(プロフ) - 毎日この話を読むためにこのサイトを開いて更新を楽しみにしていました。完結したのだと知って涙が止まりません…本当に素晴らしい作品でした…。夢主ちゃんと鶴丸が向こうの世界で幸せになってくれればと思います。完結おめでとうございます！この作品が大好きです！！ (2018年9月17日 21時) (レス) id: 7d9698e044 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夷空斗 | 作成日時：2018年9月2日 0時
