鶴が七十七人 side鶴丸 ページ29
「A入るぞーって、なんでお前らいるんだっ！？」
佐藤が病室に入った途端大きい声を出した
鈴木と俺は人差し指を口に当て“しーーっ！！”と小声で言って、Aに俺がバレないようにしてもらった
「お、おう
A、目の札を剥しに来た」
『う、うん…』
なんだこの間は？
札を剥がすのってそんなに苦痛なのか？
俺が首を傾げると、佐藤が説明をしてくれた
「これ三回目なんだがな…
この札は霊力を高めるために、一時的に貼っている部分の機能を停止するんだ
つまり、今こいつは目が見えていない
剥がすと見えるようになるが、激痛が走る」
なるほどな、痛いのか
これが三回目って事は、二回も痛い思いをしたのか…
「ねぇ、武流
耳の前はどこの部分のを剥がしたの？」
不安そうな鈴木の声に、佐藤は一瞬間を置いて答えた
「…心臓だ」
じゃあ、Aは心肺停止状態だったのか…
そこから俺達のために回復してくれているのか
「剥がすぞ？」
佐藤の言葉にAが頷いた
せめてもと思い、俺はAの手を握った
痛みを取り除くことは出来ないが、そばにいてやることは出来る
俺がAの手を握ったのを見てから、佐藤は札を剥がした
『っあ”あ”！！』
Aは俺の手をすごい力で握ってきた
早く痛みが落ち着いてくれ
俺はそれを祈るように、Aの手を両手で包むように握りなおす
『ﾊｧ……、ﾊｱ……』
痛みが落ち着いてきたのかAの手がゆるんだ
俺は片手を離し、労うように頭を撫でた
何かある度に君の頭を撫でていたな
「目を開けてみろ、見えるか？」
佐藤の声に、Aがゆっくりと目を開けた
そして見えるか確かめるように周りを見渡した
『うん、見え……っ！！？
く、国永…？』
俺と目が合い、Aは言葉を詰まらせた
「よっ！久しぶりだな！驚いたか？」
俺がそう笑って聞くと、嬉しそうに微笑んでくれた
『会いに、来てくれてたんだね…！』
そう言って一筋の涙をこぼした
その涙を俺は拭い、思わず笑ってしまった
「相変わらず、君は泣き虫だなぁ」
Aは笑って俺の手を握った
そして“ありがとう”と言ってくれた
いや、お礼を言うのは俺の方さ
あんな危険な状態の俺をなおしてくれて、本当に感謝してる
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夷空斗(プロフ) - 蒼い薔薇さん» コメントありがとうございます！なんとか完結させることが出来ました！この話を読んでいただきありがとうございます！！ (2018年9月29日 19時) (
レス) id: 607aafe4eb (このIDを非表示/違反報告)
蒼い薔薇(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後の展開には、ウルっと涙腺が緩んでしまいました！この小説を読んで鶴丸がもっっと好きになってしまいました。本当に最高の作品でした。 (2018年9月29日 0時) (レス) id: ac233dda56 (このIDを非表示/違反報告)
紗衣(プロフ) - 私もいつもコメントを返していただけて嬉しいです！コメントを通して作品の励みにしていただけて、お話できて良かったです！次作を書かれるのならばすごく楽しみです！こちらこそこの作品に出会わせていただいてありがとうございます！ (2018年9月17日 22時) (レス) id: 7d9698e044 (このIDを非表示/違反報告)
夷空斗(プロフ) - 紗衣さん» 紗衣さん、いつもコメントありがとうございます！本当に励まされました！素晴らしい作品と言っていただき、本当に嬉しいです！！最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます！ (2018年9月17日 22時) (レス) id: 607aafe4eb (このIDを非表示/違反報告)
紗衣(プロフ) - 毎日この話を読むためにこのサイトを開いて更新を楽しみにしていました。完結したのだと知って涙が止まりません…本当に素晴らしい作品でした…。夢主ちゃんと鶴丸が向こうの世界で幸せになってくれればと思います。完結おめでとうございます！この作品が大好きです！！ (2018年9月17日 21時) (レス) id: 7d9698e044 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夷空斗 | 作成日時：2018年9月2日 0時
