思い思われ、嗚呼、好きです

１０話 ページ11

あの日から、あれが夢なのか夢ではないのか曖昧な、ふわふわとした気分で1日を過ごした。推しに抱き締められ、過去を私だけが知る事になって、告白されて...。


推しとファンとの一線を超えてしまったのでは？！なんて、頭の中で渦を巻くように考え込んでいた。


しかし、時間とは直ぐに過ぎ去るものでバイトを終えすっかり外は真っ暗になっていた。行きつけのコンビニに足を運んで、おにぎりと菓子パンとカップスープを手に取り会計した。よく、偏食だと言われる。アンバランスだとは思うが、美味しいのだから良いだろう。




「疲れた...」



小さく呟いて、家の近くになって来たなと思った刹那、公園から人の気配を感じた。最近は違法マイクが出回っているから、気を付けろと警告のチラシが掲示板に貼られていた。


でも、こんな時間に何をしているのだろうと不思議と好奇心が湧く。鞄からヒプノシスマイクを取り出して、公園に入って見ると、ベンチの方からグーーーッと、音がした。



「何今の...」

？「誰がいるのか？！」



ちょっと待て、聞き覚えがある気がする。この声______

スマホのライトで声のした所を照らすと、そこには




「有栖川帝統？！？！」

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