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櫻井 side
静かに、落ち着いた声。
A「この国では死因の分からないまま葬られる人がまだまだたくさんいる。」
櫻井「……。」
A「日本に置ける変死体の数は毎年およそ15万人、これは先進国の中で最も最低な数字っす。」
櫻井「……。」
A「犯罪性が疑われるものは大学の法医学教室に運ばれる。」
櫻井「だからなん……、」
A「それは何故だと思いますか？」
櫻井「……犯罪の手がかりを探すため、」
A「それだけじゃない。」
静かに、低く。まるで俺を目の敵のように見つめる瞳。憎くて堪らないとでも言いたげな。
A「声を聞くため。」
櫻井「声……？」
A「残された遺体から最後の声を聞くため。」
櫻井「……最後の、声……、」
A「死因の解明は今でも医学のオプションに過ぎないんすか？」
櫻井「……。」
A「自分はそうは思いません。」
言いたい事を言い終えたのかスッと視線を外し、クルクルと椅子を回転させ背を向けられた。
「死因の解明は今でも医学のオプションに過ぎないのか」何故かその言葉が胸に突き刺さった。
大野「死者の身体はその人が最後に伝えたかった言葉を明確に語りかけています。」
櫻井「……。」
大野「法医学者にしか聞こえない声がある、」
櫻井「……。」
大野「その声を繋げる事が私たちの仕事です。」
櫻井「……。」
大野「櫻井さん、」
櫻井「はい……、」
大野「あなたがこの研修を機に法医学者になるとは思っていません。」
櫻井「はい、」
大野「ただ、そんな医学がある事を知ってもらえればそれで良いんです。」
櫻井「……はい、」
人は死んだらお終いだ、俺はそう思っていた。
医学とは消え行く命を救うため、死を先延ばしにするために存在するのだと、そう思っていた。
そんな俺が、
櫻井「……。」
失われた命を救う医学と出会った。
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ひーちゃん(プロフ) - 世界に引き込まれました！そしてPR動画を拝見してドラマ化して欲しいとさえ思いました！また素敵な作品を楽しみに待ってます!! (2019年1月4日 11時) (
レス) id: 91741740b8 (このIDを非表示/違反報告)
るなこ - 今回の話も文句なしに面白いです。やっぱりRii!さんの書く話にハズレはないと改めて感じました。ちゃんと勉強した上で書いているのが伝わってきて、やっぱり私はこの作者さんが好きだなぁと。アンナチュラルロスの私にはたまらない作品です。これからも応援してます。 (2018年6月18日 22時) (レス) id: 1dd48545d3 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 返信ありがとうございます！タイミングよくSPECを見直していたので（もしかして...！）と思いコメントさせていただきました(^｡^)Rii!さんの書くキャラクターを違和感なく想像できちゃうので読んでいてとても楽しくなってしまいます！素敵な作品をありがとうございます (2018年6月13日 23時) (レス) id: c7c6b3950a (このIDを非表示/違反報告)
Rii!(プロフ) - ココナッツさん» コメントありがとうございます。同じくアンナチュラルロス！医学の事なんてさっぱりですが多少勉強したつもりです、、拙作ばかりでなおかつ筆の遅い作者ではありますが、どうぞよろしくお願いします (2018年6月10日 1時) (レス) id: 39d5af13c3 (このIDを非表示/違反報告)
Rii!(プロフ) - ゆゆかさん» コメントありがとうございます。エイターさん必見！もうすぐとある人物が登場しますよ〜！ヒントはパーン！（ヒントと言うかそのもの）拙作ばかりでなおかつ筆の遅い作者ではありますが、どうぞよろしくお願いします (2018年6月10日 1時) (レス) id: 39d5af13c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Rii!
| 作成日時：2018年6月3日 20時
