戦いの終結 ページ40
モミジとアケビが風のごとく去り、どこからともなく爆発音が響く。
ああ、バトルフィールドからだな。
Aにどう伝えようか、頭の中でシミュレーションしながら踵を返す。
「メタグロス、サイコキネシス!」
「ツドキ、はどうだんを囮に!」
まだまだ白熱した戦いが続いているみたいだ。
キリナもさっきと同じ体勢、同じ目力でAを見ていた。
俺が一度席を外したことにも気づいていないようだった。
「ツドキ、エアスラッシュ!」
Aは相手が元チャンピオンであるダイゴさんにも関わらず、引けを取っていない。
いや、押しているかもしれない。
メタグロスの長い腕にエアスラッシュが激突し、一瞬バランスを崩す。
その瞬間を逃さないのが、Aたちだ。
「いっけええええええ!!」
Aは拳に、ツドキは翼に力を込めながら、メタグロスに接近する。
「『コークスクリューエアスラッシュ』!!」
Aは拳を突き出したところで回転をかける。
するとツドキは翼を器用に動かしてエアスラッシュに回転をかけ、えぐるように撃ち込んだ。
メタグロスは盛大に吹き飛ばされる。そろそろ疲れが見えてきている。
「メタグロス、ラスターカノン!」
「はどうだんで迎え撃って! とどめよ!」
ラスターカノンとはどうだんが衝突し、火花が飛び散り、互いの力が大きくなる。
やがて爆発し、鼓膜が破れるかと思うくらいの爆発音と、目の前が真っ暗になるほどの煙が広いフィールド中を包む。
しばらく経って、ようやく視界に光が差し込んできた。
煙が宙に舞い、フィールドの様子が見えるようになってきた。
そこには、巨大化した足でしっかりと地を踏みしめているツドキと、ダメージに耐えられずメガシンカ状態を解き、仰向けになって倒れているメタグロスの姿があった。
「……メタグロス、戦闘不能!
よって勝者、A!!」
誰も口を開かなかったため、俺が勝敗を告げる。
「やった……!
やったよツドキっ!!!」
「キッスっ!!」
Aはすぐさまツドキのもとに駆けつけ、ふわふわの体毛に体を押し付けている。
ツドキも嬉しいようで、翼でAの頭を優しく撫でている。
「メタグロス、お疲れ様。戻ってゆっくり休んでくれ」
ダイゴさんはメタグロスをモンスターボールに戻し、感慨深そうにAたちを見つめている。
「元チャンピオンとはいえ、この僕が負けるとはね。
やっぱりあの娘は……」
その呟きの続きは声が小さくて聞き取れなかった。
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頂志桜(サム)(プロフ) - 瑠美さん» 申し訳ございませんが、話の構成上、二人には離れてもらいます……。しかし、フレア団はちゃんと約束を守ってくれるはずですし、二人は強いですから、遠距離恋愛になるだけで済むと思います。……恐らく。 (2017年3月1日 19時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
瑠美 - 頂志桜(サム)さん» 結局、どうなちゃうの?(´・ω・`)?心配です。主人公とアラン、二人が離ればなれになるのは、損なのは嫌だ。悲しすぎる。絶対駄目。どんなことがあっても、主人公を守ってアラン。お願い。 (2017年2月27日 20時) (レス) id: eec2ec89e1 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - メルディアナさん» コメントありがとうございます。要求を呑まない場合はやむを得ない=危害を加えられるため、受け入れてもらいました。アランは、主人公を傷つけてまで傍にいたいとは思ってないんですね。過去の過ち(脳波操作の薬の件)から学んだという裏設定です。 (2017年2月27日 17時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
メルディアナ(プロフ) - アランは要求を断ると思いました。 (2017年2月27日 17時) (レス) id: 3b894e4bc2 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - 瑠美さん» コメントありがとうございます。フレア団の登場、しかし当のモミジとアケビは要求について何も知らされていません。カギを握るのは、代表であるフラダリのみ。謎が深まる要求の意味。終盤への伏線です。こうご期待! (2017年2月27日 15時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:頂志桜 | 作成日時:2017年1月24日 22時