【最強メガシンカ】世界でいちばん頑張っている君に 〜〜11th Spa〜〜【ポケモンXY特別編】

かなりの策士 ページ37

「ツドキ！」

Aが先に声をかけ、指で宙を指した。

「キッス！」

それを見たツドキが空高く飛ぶ。

「何か来るぞ、メタグロス」

「メタ」

ダイゴさんたちはまた様子見だ。

「ツドキ！ 気合い入れていくよ！！」

「キッス！」

Aが両手を合わせて腰の位置に持っていく。
それと同時に、ツドキがはどうだんの準備を進める。

「行動のシンクロか」

ダイゴさんがその様子を見て嬉しそうに微笑む。

「何……！？ あれはメガシンカ、なの……！？」

キリナがAトゲキッスとなったツドキを目の当たりにして目を見開いている。

「違う。あれはキズナ現象だ。
Aとツドキの絆の力で、想いがシンクロしたときに起こるんだ」

「あれが、キズナ現象……」

どうやら名称は知っていたらしい。

なぜ知っていたのか訊きたかったが、Aが行動を開始したので後にすることにした。


Aは腰に当てた手を前に突き出す……と思いきや、下に突き出した。

ツドキのはどうだんが真下に落下し、フィールドが完全に砕け散る。
フィールドの欠片が空に舞う。

「今だよっ！」

Aがまた手で球形をつくり、力を込める。
ツドキはフィールドの欠片を核にしてはどうだんをつくり、さらにフィールドの欠片を引き寄せている。

これは昨日、ウルップさんとのジム戦で使った戦法か。
あのときは氷だったが、今回はフィールドを使うとは。

まさか、最初から攻撃をフィールドに当てるように仕向けていたのは、欠片を多く生み出して威力を高めるためか？ だとしたらかなりの策士だ。

「土弾波動突きっ！！」

Aとツドキが同時に手を翼を前に突き出す。

『土弾波動突き』か。昨日のは『氷弾波動突き』だったから、俺の解説は合っていたらしい。

「メタグロス、ラスターカノン！」

メタグロスがはどうだんに向かい撃とうとするが、はどうだんの方が威力が強く、ラスターカノンも巻き込んでメタグロスに激突する。

「メタ……」

しかし、そう簡単に負けないのが元チャンピオン。

「面白い……！
君たちの柔軟な思考、行動力、判断力、そして絆……もっと見せてくれ！！」

「お望み通りにしてみせます！」

Aはダイゴさんとメタグロスに向けて挑戦的に叫んだ。


……ところで、あいつら、俺たちの存在完全に忘れてるよな。

ふと横を向くと、キリナがただ茫然とAの方を向いていた。

「すごいよな、あいつ」

そっと呼びかけてみても反応はない。かなり熱中している。

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