検索窓
今日:16 hit、昨日:3 hit、合計:32,459 hit

相反する思考 ページ21

【アラン視点】

「さっきからだいぶ相反することを言ってる気がするが」

女心をわかってくれないから『怒りますよ?』と言ったくせに、さっきは『それでいいんです』と許容した。

「A、お前自分の言動把握してないだろ」

のぼせて頭がやられたか?

「そんなことないですよ。大丈夫です。相反すること言ってるって自覚はあります」

止めていた足を再び動かすA。

「なら国語力が足りないな」

自分の意見がぶれては、説得力のある話にならない。

「そうじゃなくって。
逆説的な考えができるようになったっていうか、その……。
違うものの見方ができるようになったっていうか……」

「意味が分からん」

俺が一蹴すると、Aは頭を抱えて「私もよく分からないんですよ!」と威勢よく言い放った。

「ヘンなこと言ってるって自覚もあります。
だけど本当に、何か変わったんです。私の中の何かが。
レベルアップしたみたいな感じで……」

「お前はポケモンか」

「比喩です! 比喩!!」

ツッコミにツッコむとは、いい度胸じゃないか。

「そんなこと言ってる間に、部屋着いたぞ」

俺たちの部屋を通り過ぎようとしていたAを呼び止める。

「あ、あなたのせいなんですからねっ!」

顔を真っ赤にして戻ってくるA。なかなかいい恥らい顔だ。


鍵を差し込み、内開きのドアを開ける。

Aはというと、俺がドアを開けたすぐに部屋の中に入っていった。
さすが、小さくて足が速い。こういった障害が多い箇所でも器用にさっとすり抜けられる。

ドアのロックを再び掛け、和室の真ん中でふてくされているAのもとに歩を進める。

「またそうやって怒って。
『それでいい』んじゃなかったのか?」

「そうですけれど! そうだけど……」

ゴニョニョのような曖昧な声を出し、答えを探す彼女。

「だから、よくわからないんですって。
『それでいい』って割り切れるけれど、やっぱり『女心』わかってほしいし……ああ、もう!
何言ってるんだろう私!」

これ以上混乱させるのはよした方がいいと思い、話題を替える。


「で、新曲はいつやるんだ?」

はっとしたようにAがすぐさまバッグに手を伸ばす。

「これですね」

取り出したのは五線譜ノート。

二つの旋律が示されている。

「ああ。じゃあ早速……」

それを手に取ろうとしたが、思い切り空振った。
というのも、Aがそれを取り上げたからだ。

「……おい」

「まあまあ。そんなに慌てなさんな」

お茶休憩→←それでいい



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (17 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
26人がお気に入り
設定タグ:ポケモンXY , アラン , 飯テロ   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

頂志桜(サム)(プロフ) - 瑠美さん» 申し訳ございませんが、話の構成上、二人には離れてもらいます……。しかし、フレア団はちゃんと約束を守ってくれるはずですし、二人は強いですから、遠距離恋愛になるだけで済むと思います。……恐らく。 (2017年3月1日 19時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
瑠美 - 頂志桜(サム)さん» 結局、どうなちゃうの?(´・ω・`)?心配です。主人公とアラン、二人が離ればなれになるのは、損なのは嫌だ。悲しすぎる。絶対駄目。どんなことがあっても、主人公を守ってアラン。お願い。 (2017年2月27日 20時) (レス) id: eec2ec89e1 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - メルディアナさん» コメントありがとうございます。要求を呑まない場合はやむを得ない=危害を加えられるため、受け入れてもらいました。アランは、主人公を傷つけてまで傍にいたいとは思ってないんですね。過去の過ち(脳波操作の薬の件)から学んだという裏設定です。 (2017年2月27日 17時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
メルディアナ(プロフ) - アランは要求を断ると思いました。 (2017年2月27日 17時) (レス) id: 3b894e4bc2 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - 瑠美さん» コメントありがとうございます。フレア団の登場、しかし当のモミジとアケビは要求について何も知らされていません。カギを握るのは、代表であるフラダリのみ。謎が深まる要求の意味。終盤への伏線です。こうご期待! (2017年2月27日 15時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:頂志桜 | 作成日時:2017年1月24日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。