見覚えのある二人 ページ14
「ダイゴさん……」
一人は元チャンピオン。俺たちをこの旅に誘った本人。
しっかりとタオルで前を隠すという紳士っぷりだ。
まあ、ここまでは驚くことじゃない。
問題はもう一人の方だ。
「キリナお姉ちゃん……!?」
そう、ダイゴさんの隣にいる、湯あみ着を着用した少女はキリナだった。
「どうしてキリナお姉ちゃんとダイゴさんが……?」
俺もAと同じことを思っていた。接点が分からない。
「まあ、いろいろとね」
適当に流された。
その爽やかな笑みはこの前と全く変わらなかった。
そのあとダイゴさんの視線がAの方に向けられるのを見逃さなかった。
「…………!」
無言で威圧し、さりげなくAの前に移動し、視界を遮る。
「…………」
相手も無言で応えてきた。
「?」
Aは全然意味が分かってないらしい。恐らくキリナもだ。
何なんだこの義姉妹。
結局俺とダイゴさん、Aとキリナという2グループに分かれて集まることになった。
それというものの、勝手にAとキリナが集まってしまったため、仕方なくダイゴさんの隣にいるということなんだが、正直気まずい。
さっきのこともあるからな。迂闊に発言するのはやめておこう。トラブルの元になる。
「意外だなぁ。君が何も訊いてこないなんて」
わざとらしく彼が発言する。
「訊きたいことは山ほどあるがな。どれもグレネード弾級だから」
そう返すと彼は鼻で笑った。
「まさかそんなブラックジョークを飛ばすとはねぇ。これはかなりお怒りのようで」
あながち間違ってはない。
Aを守る立場上、こいつに怒りの感情を抱かない方が間違っている。
安易にも、人はそれを『嫉妬』と呼ぶのだろうけれど。
「まあな」
最低限の答えを返す。
それでも彼は俺の考えを見抜いてくる。
この人は一を聞いて十を知る人だ。Aと同じタイプだ。
Aの場合、一を聞かなくても勝手に知られてることがあるから特殊型だが。
「そんなに僕が彼女を見ることが嫌かい?」
「当たり前だろ。
キリナのように湯あみ着を着てるのならまだしも、あいつはそのままだぞ。
その意味わかってるのか?」
こいつもAと同じく無自覚……というオチはなかったらしい。
「わかってるよ。まあ、結局この湯気の中だから顔くらいしかまともに見れなかったけれどね」
すまし顔で言ってくる。なんか癪に障る。
「想像補完は」
「ふっ……なかなか気が合うねぇ」
挑戦的な笑み。その意味は肯定だった。
26人がお気に入り
「アニメ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
頂志桜(サム)(プロフ) - 瑠美さん» 申し訳ございませんが、話の構成上、二人には離れてもらいます……。しかし、フレア団はちゃんと約束を守ってくれるはずですし、二人は強いですから、遠距離恋愛になるだけで済むと思います。……恐らく。 (2017年3月1日 19時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
瑠美 - 頂志桜(サム)さん» 結局、どうなちゃうの?(´・ω・`)?心配です。主人公とアラン、二人が離ればなれになるのは、損なのは嫌だ。悲しすぎる。絶対駄目。どんなことがあっても、主人公を守ってアラン。お願い。 (2017年2月27日 20時) (レス) id: eec2ec89e1 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - メルディアナさん» コメントありがとうございます。要求を呑まない場合はやむを得ない=危害を加えられるため、受け入れてもらいました。アランは、主人公を傷つけてまで傍にいたいとは思ってないんですね。過去の過ち(脳波操作の薬の件)から学んだという裏設定です。 (2017年2月27日 17時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
メルディアナ(プロフ) - アランは要求を断ると思いました。 (2017年2月27日 17時) (レス) id: 3b894e4bc2 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - 瑠美さん» コメントありがとうございます。フレア団の登場、しかし当のモミジとアケビは要求について何も知らされていません。カギを握るのは、代表であるフラダリのみ。謎が深まる要求の意味。終盤への伏線です。こうご期待! (2017年2月27日 15時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:頂志桜 | 作成日時:2017年1月24日 22時