29 Y ページ29
そんな視線なんて気付いていないかのように、ふわっと微笑み返す。
余裕があるように見られたくて。
あなたなど眼中にはないと伝えたくて。
だけど、牽制するように。
「まぁ、そんなとこです。宏光がお世話になっている様だったので」
何度もそういう関係なのか
一度だけかはわからない。
でも、もう手を出さないでほしいー・・・
そう訴えるように鏡越しに藤ヶ谷さんを見つめた。
「大丈夫ですよ。僕には恋人がいますから」
余裕な笑顔が少し鼻に来るけど。爽やかすぎる香りとともに撒き散らす藤ヶ谷さんに俺もニッコリとまた微笑み返した。
「では、髪を乾かすのは変わってもらいますね。また乾いた後、仕上げていきます」
そう言うと、藤ヶ谷さんはバックヤードに入っていって、代わりにもう一人あの時にいた男性スタッフがやってきた。
「二階堂と申します。乾かしていきますね」
屈託のない笑顔に、お願いしますと笑い返し、アイスコーヒーを手に取り口に運んだ。
事前に聞かれ運ばれてきていた、アイスコーヒーは....氷が溶け薄くなっていた。
そこから二階堂さんは明るく何か話してたけど、申し訳ないことに何を話してるか頭には入ってこなかった。話の途中、気になってることを問いかけた。
「藤ヶ谷さんのファンって多いんですか?」
「多いですよー。なんせ、ガヤさんはイケメンですからね。腕もいいですし」
屈託のない表情でそう言う二階堂さんは本当に藤ヶ谷さんを慕っているようで。
性格もよくて顔もいい。
非の打ち所のない彼には勝てる気がしなくて、自信がなくなりそうなのをなんとか耐える。
「そうなんですね」
「面白いですし、可愛いとこもあってこの前なんて社員旅行で・・・」
二階堂さんは楽しそうに先日行ったという社員旅行の話を聞かせてくれた。
ドライヤーの温風が心地よく、頭にスーッと入っていく。
宏光、だなんて。
そんな風に呼んだこともないくせに。
自分のものでもないのに。
抱いたことのない想い・・・
初めて独占欲という感情に蝕まれる感覚に身震いをしていた。
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まいまい(プロフ) - ドキドキしすぎて私も好きな人の都合のいい相手になった気分です…宏光の気持ちがわかりすぎて切ない…ファーストも読みます!、 (2021年6月7日 8時) (レス) id: f1bcc9ce7b (このIDを非表示/違反報告)
R.Y kano(プロフ) - コメント失礼致します(_ _)セカンドとても面白かったです!ファーストも読みたいのですが作者様のページを見ても載ってなくて、どこから探せばいいですかね(--;) (2019年2月9日 9時) (レス) id: bbd6053d3d (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - ももさん» 私も詳しくなくて、そうしていただけるとありがたいです (2018年8月11日 15時) (レス) id: cd6021df3e (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - りなさん» りなさん 遅れてすみません!設定で年齢のところだとは思うのですが、初心者で詳しくなくすみません、もしよければメッセージでリンクなどお送りしましょうか?(ノ´▽`)ノ (2018年8月11日 9時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - ももさん» お返事ありがとうございます。どうやったら見られるようになるかおわかりになりませんか?セカンドとてもおもしろかったのでファーストも見させて頂きたいです。 (2018年8月10日 1時) (レス) id: cd6021df3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もも | 作成日時:2018年6月2日 22時